久しぶりの八ヶ岳単独行です。舟山十字路を登山口として南陵で登り、中央稜で下りてきました。南陵も中央稜も一応バリエーションルートということになっているようですが、踏み跡やマーキングが比較的しっかりついています。とは言え、やはりバリエーション。迷いやす場所がありましたし、落ちたら死ぬ場所もありました。
まず舟山十字路のゲートから少し戻ったところにある分かれ道を歩き阿弥陀聖水に向かいます。たっぷりと水が出ていますが枯れることはあるのでしょうか?しっかりと補給をしてそのまま林道を歩いていきます。
橋がかつてあったのであろう場所を渡渉します。渡った先にも明確な車の跡があったので、比較的最近まで橋があったのかもしれません。前日はしっかり雨が降っていたので、渡渉できるか心配していたのですが、簡単に渡ることができました。一部崩れた林道を黙々と歩いて行くと広場のような場所に出ます。旭小屋は一段高くなった場所にあります。
旭小屋の左に道が続いていて、ザレた急坂を登り切ると南陵の尾根に出ます。尾根に出ると踏み跡くっきり。あちらこちらに土地の境界を示すと思われる札が立っていて目印になります。人が少ない一般ルートよりずっと歩きやすいと感じました。そして南陵は四季を通して登られているので、岩にはアイゼンの跡がありました。
周囲が苔むした森になると立場岳はもうすぐです。樹林帯の中で山頂は展望なしですが良い休憩場所になります。ここで牛乳パンを半分食べました。
ところで山頂の標識は「立場山 2,248m」となっていますが、地理院地図では「立場岳 2,370m」となっています。標高に関してはスマホのGPSで確認したところ2,370mが正しそうです。
立場岳を過ぎると緩やかに下り、展望が少しずつ得られるようになります。視界が一気に開けると青ナギと呼ばれる場所に出ます。ここも踏み跡がしっかりとした道になっているので、危険だとは感じませんでした。
青ナギを過ぎると樹林帯の急登。そこを越えると無名峰です。ピークからは雲海に浮かぶ奥秩父の山々、そして今まで歩いてきた南陵、下山に使う予定の中央稜、一般ルートの御小屋尾根が見えます。そしてもちろん阿弥陀岳に続く岩稜帯も・・・。
南陵にはピークが複数あります(P1〜P4と呼ばれているようです)。しかし全て巻くことができます。これらのピークに登る壁にはホールドがたくさんあるので登れそうですが、結構脆そうです。私は全て巻きました。ふと背後を見ると権現岳と南アルプスの山々(北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳)が見えました。
南陵でおそらく一番難しい箇所がP3のガリーです。P3を左に巻くように少し下るとガリーの取り付きに到着します。そこから岩の溝を50〜60mほどでしょうか、登っていきます。ホールドは豊富にあり特別苦労する訳ではありませんが、登った日の前日が雨だったので全面的に濡れていて、滑らないように注意して登って行きました。
ガリーを登り切るとハクサンイチゲが咲いていました。赤岳を背景に入れてパシャり。厳しい山容の赤岳と優しく可憐な花のコントラストがお気に入りの1枚です。
阿弥陀岳が近づいてもホールドが少なかったり、傾斜が急だったり案外気を抜けない岩場が続きます。それでも高山らしい南八ヶ岳の岩稜の風景を見ていると登ってきた価値があったと感じます。
そして阿弥陀岳登頂。誰もいません。赤岳に目を凝らして見ても誰もいない。
山を独り占めしているような気分でした。山頂で牛乳パンの残りとレーズンパンを食べ、水をがぶ飲み。補給完了!北八ヶ岳方面を見て、「今年の秋は北八をのんびり散策するぞ!」と心に誓い、中央稜で下山します。
まず御小屋尾根方面に下り、岩場を超えます。すると中央稜の方向を示す標識が立っているので、それに従い降りていきます。上から見るとハイマツの中の踏み跡が明確に残っているので迷うことはないはずです。
迷うことはないかもしれませんが、ザレ場の激下りです。滑って転倒しないように細心の注意を払います。新調したスポルティバのTX4 Mid GTXは岩場ではしっかりグリップしましたが、地面そのものが動くザレ場はどんな靴でも滑る。仕方がありません。このTX4はもう少し履き込んでレビューのブログを書きたいと思います。
ハイマツ帯の激下りを終えると、今度は樹林帯の激下りです。
突然現れる赤い文字で「オワリ」と書かれた木の札。ここから先はまた土地の境界を示した標識がたくさんあるのでルート確認は簡単でサクサク歩けます。
標高を下げ、沢沿いに歩いているとホテイランが綺麗に咲いていました。この花を見るのは初めてです。しっかりと何枚も写真に納めました。道に迷いそうになりながら沢を何度か渡り、緩やかな下りを歩き続けると舟山十字路に続く林道に出ます。ここまで来れば一安心。
高曇りで直射日光を避けることができ他ので快適な山行でした。人気の八ヶ岳でも平日のバリエーションルートでは誰とも会いませんでした。静かに山を楽しみたい人にオススメのルートです。




































