こから書き始めれば良いのか。距離約74キロ、累積標高差5,620m、3泊4日のテント泊、踏んだ百名山は黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、そして鷲羽岳。

 

<1日目>

新穂高→双六岳→三俣蓮華岳→黒部五郎小舎(テント泊)

<2日目>

黒部五郎小舎→黒部五郎岳→北ノ俣岳→薬師岳→薬師峠(テント泊)

<3日目>

薬師峠→雲ノ平→水晶岳→ワリモ岳→鷲羽岳→三俣山荘(テント泊)

<4日目>

三俣山荘→双六小屋→新穂高

 

この登山について2日ずつ、2つの記事に分けて書いてゆく。この記事では1日目と2日目について書く。

 

<1日目>

7月30日(火)5時30分、夏山シーズンとはいえ平日なので新穂高の深山荘近くの駐車場が空いていると思っていたのだがすでに満車。代わりにちょっと遠い鍋平登山者用駐車場に駐車。夏山の混み具合をナメてた。

 

気を取り直して新穂高からまずは双六岳を目指す。新穂高センターから黙々と林道を歩いていく。

 

 

(新穂高センター)

 

わさび平小屋は沢水豊富。その水で冷やされたキュウリやトマトが小屋の前で売られている。ここで休憩してフレッシュな野菜にかぶりつきたくなるが、先を急ぐのでスルー。

 

 

(わさび平小屋)

 

小池新道を黙々と歩く。周囲の高い山はガスの中。暑い。テント泊装備が重い。肩に食い込む。特にこれといった出来事もなく鏡平山荘に到着。宇治金時かき氷の誘惑に負けそうになるが、トイレだけお借りしてここも足早に発つ。

 

(鏡平山荘)

 

鏡平山荘から弓折乗越では高山植物がちらほら。この先の稜線歩きに期待が高まる。チングルマやイワカガミ、ハクサンフウロが可憐に咲いていた。

 

(チングルマとイワカガミ)

 

弓折乗越に到着するとすでに数人の登山者が休憩中。ガスがなければ槍穂が見えるのだろうが、仕方がない。行動食の柿ピーと水をいただき歩き始める。ここからもう少しだけ登るといよいよ稜線歩きだ。

 

(弓折乗越)


双六小屋への稜線はガスっていて周囲の山は見えなかったものの、花盛り。お花見平周辺ではまさにお花見を楽しめた。

 

(お花見平)

 

クロユリも見頃で、気品溢れる花を見るために少し足を止めた。

 

(クロユリ)

 

双六小屋。水が豊富で眺めも良い。いつかここでテントを張ってみたいが、今回も少しの休憩のみ。今日は黒部五郎小舎まで行くのだ。

 

(双六小屋)

 

双六小屋からは稜線ルートを通り双六岳山頂へ向かう。どうやら私は双六岳との相性が悪いらしい。いつ来てもガス。今回もガス。ただ風の音だけが聞こえるこういう稜線も神秘的で良い。なんだか別世界に迷い込んだようだ。

 

(双六岳への稜線)

 

ここからしばらくはガスガスだったので大して画像もなく、双六岳山頂を踏んだのち、サクサクと三俣蓮華岳に向かって歩いてゆく。双六から三俣蓮華の間の道のことはほぼ記憶にない。そのくらい景色が見えなかった。

 

(双六岳)


三俣蓮華岳山頂では多くの登山者が休憩していた。景色は見えないものの、やはり頂をきわめるというのは気持ちが良いものだ。ここから今まで歩いたことのない道だ。黒部五郎に向かい歩いてゆく。ワクワク。しかしこの三俣蓮華岳山頂の印、少しだけ曲がっていて気になる。

 

(三俣蓮華岳)

 

三俣蓮華岳から黒部五郎方面に向かう。ガスは薄くもならず、濃くもならず。下の写真のような道を延々と歩きます。ガスがなければ周囲の名峰の数々を見ることができたのだろうが、仕方がない。色々な考えが浮かんでは消え、結局何を考えていたのかよくわからないまま、黒部五郎小舎が近くなった。しかし小舎への最後の下りはガレているし、傾斜も急だし、大変だった。

 

(三俣蓮華から黒部五郎に向かう)

 

黒部五郎小舎は広い草原のようなコルに建っている。テントを張るのは小舎から徒歩1分くらいの場所。下の写真はテント場近くから見た小舎。水は豊富に出ているし、トイレも綺麗。小舎の方々の接客も丁寧で好印象。

 

 

小舎でチップスターとオレンジジュースを購入して、テントでホッと一息。夕方に少し周辺を歩いてみると、コバイケイソウがたくさん咲いていた。スパゲッティとカップヌードルで食事を済ませ、暗くなり始めた頃、雨が降り始めた。しかし一時ザーっと降ったかと思うとしばらく止む。そしてまた降りしばらく止むの繰り返し。水分をしっかり補給したのでトイレが近い。雨が止んだ隙にトイレとテントを行ったり来たり。夜は19時半に就寝。

 

(小舎周辺のコバイケイソウ)

 

<2日目>

2日目の朝は3時半に目が覚めた。テントから外を覗いてみると深いガスの中にあった。仕方がない。水を飲み、インスタントコーヒーとパンの朝食を摂る。うまい。昨夜の雨と朝露でびっしょり濡れたテントを撤収し、歩き始める。黒部五郎のカール内に入ったあたりでガスと抜け始めた。

 

(黒部五郎のカールでガスが抜け始める)

 

ガスの向こう側に青空が見え隠れする。美しい。稜線上を見ると雲が流れていく。太陽の光も感じる。天気は好転していた。カール内には水が豊富に流れ、高山植物を潤していた。

 

(カール内の豊富な水)

 

カールから稜線への急登が始まると、息が切れる。ふと周りを見渡すとコバイケイソウのお花畑が朝日に照らされていた。

 

(急登に広がるコバイケイソウのお花畑)

 

黒部五郎の肩にザックをデポし、空身で山頂に向かう。山頂までは往復25分との表記があった。

 

(黒部五郎の肩)

 

山頂はガスの中だった。周囲の山は何も見えないほどのガスの中。それでも登頂した喜びに浸りながら羊羹を食べて休憩した。

 

(黒部五郎岳山頂)

 

羊羹を食べ終わる頃には西のガスが抜け、雲海が広がった。

 

 

これから歩いてゆく稜線が続いている。残念ながら今日登る最高峰である薬師岳は見ることができなかったが、これからの行程に期待が膨らむ。

 

(北ノ俣岳に続く稜線)

 

北ノ俣岳周辺は歩きやすい稜線が続き、ハイマツとお花畑が繰り返し現れた。ハクサンイチゲ、チングルマ、イワギキョウなどが目を楽しませてくれる。

 

(ハクサンイチゲ)

 

穏やかな山稜、美しい高山植物、気持ちの良い風、次第に晴れてゆく天気。

 

(北ノ俣岳への稜線)

 

北ノ俣岳山頂は穏やかだった。地形もそうだが、他に休憩している人たちも各々の時間を楽しんでいる様子だ。うるさい人はいない。こういう山が好きだ。

 

(北ノ俣岳山頂)

 

北ノ俣岳から太郎平に向かうと、一面のハクサンイチゲが広がっていた。この花は決して珍しいものではないが、美しいと思う。

 

(ハクサンイチゲ)

 

(北ノ俣岳から太郎平への道)

 

太郎平が近くなると木道が延々と続く箇所に入る。幸い逆方向に歩いていく登山者はなく、すれ違いの必要がなかったのでスムーズに歩けた。大人数パーティーとのすれ違いはきっと大変だろう。

 

(太郎平近くの木道)

 

太郎山を踏み、太郎平小屋を通り、薬師峠のテント場にやってきた。すでに数張のテントはあったが、平たい良い場所を確保できた。ここに荷物をデポし、小さなザックで薬師岳に向かう。

 

(薬師峠)

 

薬師岳への登りは強烈だ。ハイマツ以外ほぼ何も生えていない完全に森林限界を越えた稜線をひたすら登る。しかも地面はザレていて歩きにくい。天気が荒れると非常に厳しい場所になるだろう。

 

(薬師岳への道)

 

薬師岳山頂は、ガスっていた。柿の種をボリボリ食べ、他の登山者と雑談して、ガスが抜けるのを待つ。しかし、抜けない。

 

(薬師岳山頂)

 

残念ながらガスに阻まれ360度の景色を楽しむことはできなかった。しかし薬師岳のカールはしっかりと眺めることができた。

 

(薬師岳のカール)

 

薬師岳から薬師峠に戻る。花を見、山を見、ゆっくりと戻った。そして薬師峠でテント泊。水がじゃぶじゃぶと出ており、トイレも綺麗。快適なテント場だった。

 

(薬師岳から下山する)

 

しかしその夕方、ハイドレーションから水がもれ、翌日は水不足に悩まされながらの山行となった。

 

その2に続く。