55.神との対話【解説】P98~107 人生が上向く方法①「理想の自分を演じる」 | 心理カウンセラーによる 【神との対話】解説

心理カウンセラーによる 【神との対話】解説

20年以上前に出会ったニール・ドナルド・ウォルシュ著 「神との対話」を、わかりやすく解説します

ここから第三章が始まります。


第一章では、宇宙の創生や、なぜ人間が生まれ、人はどのような性質をもつ存在なのかが語られました。その中で、神とは何かや、神と人との関係が解りました。

 

第二章では、感情や思考という目に見えないエネルギーが現実にどのように力を与えるのかが、語られました。またこの宇宙に何があったとしても、結局は「すべては愛である」ということが語られました。
その中で、私たちが外側から与えられてきたこれまでの…そしてこれからの「情報」や「考え方」についてよく吟味し、「何が自分にとって正しいのか」と、選び出すことの大切さが語られました。

 

第三章は、ニールさんの13個の質問から始まっています。
これらの質問は、多くの人たちが持つ素直な気持ちに寄り添ってくれるものです。
ニールさんご自身の悩み、苦労は、この本を読む人たちのためにあったのではないかと思えるほどです。

 

ニールさんは13の質問をすべて、最初に箇条書きで神さまに伝えました。

この解説では、質問とその返答を、一つずつ取り上げていきます。
 

① わたしの人生はいつになったら、上向くのでしょうか。
「うまくいく」ため、わずかな成功でもいいから達成するためには、何が必要なんでしょうか?
もうあがきつづけなくていいという日は来るんでしょうか?

神との対話1 P98


この質問への神さまからの回答は、ここから60ページにもわたります。

「人生が上向く」ことを願っていたということは、当時のニールさんの人生は辛く苦しいもので、彼にとって人生の底辺に近いものだったのでしょう。そしてそれが長く続いていて「もううんざりだ」と、感じられていたのでしょう。


人生が上向く方法を説くために、以下のように細かく丁寧な回答を、神さまはニールさんにお話しされました。


1.私たち人間は自分が選んだものをもつ。創り出す。そのように出来ている。


2.私たちは「思考する・言葉に出す・行動する」という三つの要素が一つになって、「今」の現実を創造している。
自分の思考、言葉、行動は、大きな「現実化」のエネルギーを持っている。


3.私たち人間は、神の一部であり、パートナーでもある。
なぜなら、私たちは神の力を体験するために生まれてきたから。
神と人間は対等であり、協力し合うことができる。これは聖なる一体化である。


4.人間の人生が「上向く」のは、神と協力し合うことを選択したとき。
自分自身が「神の息子」「神のような存在」「神と対等の存在」ということを認識して、生きるときである。


5.ここで人間が怖れをなすのは、自分が神の一部でありパートナーだと気がついたために、「もう他人のせいにはできない」という現実に行き着くからだ。
「自分にふりかかる現実は、ものごとに対する自分の考えの結果が起きているだけだ」と、認めざるを得なくなるためだ。


6.本当に人生が「上向く」ことを望むなら、まず、人生に対する考えを変えよう。
そして自分に対する考えも変えよう。
本来の自分らしく、”神として”考え、話し、行動すると良い。


7.そのような思考と言動をとるようになると、他人からは、変化したあなたに何が起きているのかと思われるだろう。あなたが誰よりも美しく、心地よく、安らかで、愛に満ちて生きているからだ。あなたの真実に惹きつけられ、嫉妬する者も現れるから覚悟は必要だ。
それでも、いまのような世界にうんざりしているあなたは、新しいやり方で苦痛や悲しみのある幻想に終止符を打つだろう。
その頃のあなたは、他人があなたをどう言おうとも、何をされようとも、気にならなくなるだろう。


8.

まず、最も気高い、こうありたいと思う自分を考えなさい。
そして、毎日そのとおりに生きたらどうなるかを想像しなさい。
自分が何を考え、何をし、何を言うか、ほかのひとの言動にどう応えるかを想像しなさい。

神との対話1 P106


9.「こうありたいと望む自分」と「今の自分」との違いが分かったら、変わることを決意すること。決意をもって変化を選び取りなさい。
そして、「考え」と「言葉」と「行動」を、気高いヴィジョンにふさわしくしなさい。一瞬一瞬、変えていきなさい。

 

引き寄せの法則でも言われることですが、
なりたい自分になるには、すでに自分がそうなっているように感じ、振る舞う(演じる)ことが重要です。
普段使う言葉の大切さも、よく言われることです。
思考や感情も、とても大切な要素です。

 

自分の素敵な将来像を思い浮かべたら、その時の自分はどのように考え、感じ、言葉を使い、振る舞うのかまで思い浮かべるのです。
そして、今、この瞬間からそれらを身につけていきます。
今はまだ状況は以前のままだとしても、自分が変われば、不思議と状況は変わっていくようになっています。

 

以上のことをするには、自分の心の動きや言動を、つねに気にかける必要があります。
私自身、最初はそのようなことができるとは思えませんでした。
しかし、いつの間にか…意外と短時間でそれができるようになりました。
自分の言葉や行動を観察し、変えていくことは簡単でした。
けれども思考や感情を変えることは、私には時間が掛かっています。

 

ネガティブな感情というものは、変えるべき思い込み(観念・エゴ)から生まれるもののため、観念・エゴが強固であればあるほどその幻想からなかなか抜け出せないのです。

 

こういうことは、個人によって難しさが異なります。
簡単に、変えるべき(変えたい)観念を変えられる人も、もちろんいらっしゃることでしょう。

 

けれども、まずは自分にネガティブな感情を起こさせる「変えるべき観念・エゴ」を見つけることが必要です。
起きる感情は「反射」であるため、ネガティブな感情が起きる元には、必ず、変えるべき(変えた方が良い)観念(エゴ・思い込み)が隠されています。

 

他人は私の脅威ではありませんし、
私は強いハガネのような心をもつ人間で、本当の意味で傷つけられることはありません。
私はそのままで、完璧で大きな価値を持つ存在です。
私はハイアーセルフやあらゆる存在から守られていて、私たちには素晴らしい今と未来があります。
私はすべてを愛する力を持っています。
私はすでに充分に豊かです。

 

以上の文言は、私自身が信じると選び、決めたことです。
 

個人によって、何を信じるかは自分で決めるのが良いです。
私たちは必ず、真実の自分を見つけて、その自分にたどり着けます。

 

けれども、ネガティブな感情(恐れや悲しみなど)が起きたとき、もしもそれをどうしても変えることができない・難しいと判断するなら、その感情の元である観念を追求するのはやめるのが良いです。

 

まず、ネガティブな感情から離れるためにも、自分が一番「嬉しい」と感じること、
楽しくて心地良さを感じること、ワクワクを感じることをやりましょう。
そうやって自分の行動から得られる「喜び=愛」の感覚を自分に呼び戻すことによって、
自分自身に「愛」を感じさせてあげることによって、自身の波動が高まります。
心が軽くなり、明るくなり、ネガティブな感情は通り過ぎていきます。

 

いずれにしても、そのようになっていくには、まずは自分自身の思考、感情、言動を客観的に観察していく必要があるのですが、
精神的な見張りを続けることについて、ニールさんは不安と抵抗を感じました。
へとへとに疲れることになりそうだと、神さまに伝えました。

 

神さまは以下のように答えています。

 

そうかもしれない。
だが、いつかは第二の天性になるだろう。
実際に第二の天性なのだから。
無条件に愛すると言うのが第一の天性。
その最初の天性、真の天性を意識的に表現する──そう選択することが第二の天性だ。

神との対話1 P106-107

 

私たちは「無条件の愛」である自分自身を意識的に表現すること、
そしてそうすることを選択することが、すでに天性として与えられています。

 

天性なのだから、今の自分を観察し、理想の自分に変えることは、それほど難しいことでも疲れることでもないはずです。

最初は、ただ演じている気持ちになるかも知れません。
けれどもそれは、真実のあなたです。

安心して、理想の自分になり、人生を向上させることができます。