「空中庭園」 角田光代

 

郊外のダンチで暮らす4人家族、京橋家の話です。

父・貴史、母・絵里子、長女・マナ、長男・コウの4人暮らし。

京橋家のモットーは「何事もつつみかくさず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合おう」。

しかしそのモットーとは裏腹に、家族一人ひとり秘密を持っている。

仲の良い家族をみんなが演じている。

ストーリーは6つの章に分かれていて、家族4人に加えて祖母と、父の愛人の視点から書かれています。

 

年代も性別も、立場も異なる彼ら、一人ずつの視点が読めて、なかなかおもしろかったです。

ホント、人は胸の内で何を考えているかってわからないものですよね。

それはイイ意味でもワルイ意味でも。

 

いつも一緒にいる家族だからこそ、秘密は必要なのかもしれないと思う。

円滑な生活を送るために、言わなくていいこと、隠しておいていいことは、やはり存在するものだと思う。

それを「表面だけの関係」と呼ぶのかというと、そうでもない気がする。

 

家族って、何なんだろう?