「しあわせのねだん」 角田光代
"ゆたかであるというのは、お金がいくらある、ということではけっしてないのだ"という言葉が印象的でした。
私たちはお金を使うとき、品物といっしょに、何かべつのものも確実に手に入れている。
大事なのは品物より、そっちのほうかもしれない。
お金には無頓着。
だけど、ほしいものはどうしてもほしい!意を決して何かを買ったり、考えた末にあきらめたり。
角田さんが、そんなお金にまつわるひたむきな思いと体験をつづった。
多機能の電子辞書。
まあたらしい冷蔵庫。
輝かんばかりの女になるための化粧品。
年齢にふさわしい所持金。
待ち人があらわれるまでの空白の時間。
母との忘れられない旅…。
その値段は?
お金は何をしてくれて、何をしてくれないのだろう?
日々と物欲のくらしから垣間見た、幸福のかたち。
無駄に使ったお金や時間は・・・いつかの幸福の肥しに