「プラナリア」 山本文緒
プラナリアをこの本で初めて知った。
とりあえずネットで検索してみたら、きつい・・・画像と出合いましたが・・・。
まぁそれはいいとして、この本もおもしろかったです。
ホント最近、山本文緒さんのワールドに引き込まれまくっている私です。
無職の人を描いた5つの短編集です。
プラナリア
ネイキッド
どこかではないここ
囚われ人のジレンマ
あいあるあした
どれも深いな~と思う内容でした。
「ネイキッド」。
バリバリ仕事もして結婚もしていた女性が、離婚して仕事もダメになって、なにもかもやる気がなくなってしまっているときの話。
他の短編よりも、自分にも将来ありうる話かも!?なんて思い感情移入しながら読みました。
"暇、というのがどういう状態で、どんな感じがするのかをこの歳になってはじめて知ったように思う。退屈とはちょっと違う。無意味と有意義。ずっと長い間、その二種類の時間しかなかったし、それ以外の時間があるなんて考えたこともなかった。"
"もう奢られることは慣れたはずなのに、兵藤の財布から店員に渡された一万円札を見て私は少し不愉快になった。そして私が羽振りが良かった時、何も考えずに明日香や他の友人との食事代を割り勘ではなく、勝手に私が支払っていたことを思い出した。奢られるほうの気持ちなど考えたこともなかった。"
印象に残った文でした。
「囚われ人のジレンマ」
25歳の誕生日に、7年交際する心理学専攻の大学院生である彼にプロポーズされる。しかし、なんだか煮えきらず、はっきりした返事ができない。
彼女を最も悩ませるのが、彼が大学院生で、収入がないということ。
「自分がこんな状態でよくプロポーズできるよ」と思ってしまうのだ。
頼りにしている先輩に、
「指輪もらってうれしくない相手と結婚したらいけないでしょう」とズバッといわれて、一瞬自分の気持ちを言い当たられたように思いながら、でもそんな単純に割り切れもせず、また、逡巡のループにはまる。
その彼は、実家が不動産をいくつか持っており、家賃収入から学費などが出ているということが明かされる。
しかし、彼女は別れを選択する。
"彼が必死に欲と得を考える顔をした"
人はみな、常に自分が一番大切で、損得勘定をするものだと私は思う。
少なくとも、私はそういう人間だ。
結婚は、人生において重要な分かれ道。
結婚に関しても、男女は自分にとっての損得勘定をするだろう。
結婚はある種の契約だもの。
そういうことを考えると、なんだか切なくなるような・・・。
しかし、これが現実なのだと思う。
結婚、まだ私には大きなステップに感じます。24歳、まだまだ子どもってことでしょうか。
この本で「成功恐怖」という言葉を知りました。
結果が出そうになったり、長年の夢だったことが叶いそうになると、急に自分でブレーキをかける。
やりたいのに、なぜか進めなくなってジタバタすることを言うそうです。