
今回は「ヒト化を防ぐ」ことについて。
ペットと一緒に過ごしているとついつい感情移入してしまう。それは当たり前のことであって当然のことと思います。
しかしながら彼らは動物でありヒトではない。ヒトも大きな括りで言えば動物ですが、文章の中でこの言葉で進行させていただきます。
ヒト化を防ぐというのは、彼らが人間染みることを防ぐというのではなくヒト側が彼らをヒトと同様に考えることを防ぐということです。
例えば、帰宅後に部屋が猛烈に荒らされていた。きっと腹いせに違いないっ!これはこの地点で大きな勘違いをしています。お分かりになる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは分離不安の可能性が大きいです。勿論遊びが楽しくて苛烈しすぎてしまい部屋がめちゃくちゃになってしまった場合などもあります。
動物の生理に乗っ取って彼らの立場に立ち、目線を下げ考えてあげてください。もし、彼らの分離不安に気付かず適正な飼養、接し方を出来ずにいられれば問題は片付きません。ヒトではなく彼ら動物がわの理由をきちんと考えてあげましょう。
食べ物に関して言えば、欲しがっているから好きなものだから療法食なんて可哀想!と言う方もおられます。食べることがイエネコやイエイヌの一番の楽しみなのに、と。
でも考えてみてください。彼らは自身の健康管理が出来るでしょうか?日々体重計に自ら乗り、食べ過ぎないように出されたご飯を調節し、人間ドック宜しく自ら病院に行くでしょうか?体の不調を事細かに教えてくれるでしょうか?
それが出来ないからこそこちら側がきちんと管理し、適正な食事、量、スキンシップをしながら体調を伺い見るのです。好きなものを食べて体を壊すこともあります。ヒトだって相違ないでしょう。欲しがるままに与えれば体重過多になり肥満は万病の元にもなります。
そして何より、彼らの最高のご褒美は本当に食事ですか?おやつですか?
食事は1日2度もとれば十分です。食事以外にもイヌであればお散歩など、ネコでもブラッシングや遊び、沢山撫でてもらったり一緒に寝たり彼らのご褒美は食事以外にも沢山ありますよね。
こちら側が求められるままに渡してしまえば彼らは非常におつむりがよろしいので、ねだればごねれば貰えることを理解してしまいます。それは完全にこちら側に非があります。こちらが主導権を握ることは時としてとても大切なことなのです。
適正な食事といいましたが、年齢の段階に合わせたものや体調に合わせたものを選ぶことにより彼らのコンディションは整えられます。療法食に至っては食べる薬といっていいほどです。彼らを思えば彼らと永く過ごしたいと思うのならば彼らにコンディションを整えられるものを与えてください。ご褒美は飼い主側から与えられるもの。食以外でもいいことを知ってください。何より愛を注ぐ家族の大好きなことを知っているのは紛れもない貴方です。
健康は幸せに繋がります。幸せな生活を築き上げるため、毅然とした意思を持ってください。お願いします。