前記事で書いた角館(かくのだて)の武家屋敷散策を終えて、
一日一本しか走らない「急行もりよし号」12:17発に乗って、終点の鷹ノ巣へ向かいます。
お盆のお墓参りを13日から始めたいため、もう2,3時間滞在したい思いを抑えて、、、角館を後にしました。
秋田内陸縦貫鉄道は、角館・鷹ノ巣間の約100kmを2時間強で結ぶ路線です。
通常はこの一両編成の車両で運行されていますが、山間を走るこの路線は山の紅葉が見事だそうで、その季節は特別に二両編成で走らせるそうです。
ちょうど、こまち号が秋田に向けて出発した時のツーショットが撮れました。内陸線車両のレトロ感が更に際立ちます(笑)。
秋田名物内陸線の看板。
秋田名物は、♪八森ハタハタ~だけでは無い。
その意気込みは、、、こちら!
女性の観光コンソルジェさんが、路線内の見どころをガイドしてくれます。
これにはビックリ(笑)。
しかも、見所のポイントに差し掛かると、ガイドさんの説明に合わせて徐行運転までしてくれます。
停車駅の観光ポイントや近々ある花火大会や写真展などのイベント紹介、更には、マタギの歴史紹介など多彩な話題です。
二時間の長丁場をどう過ごそうかと心配して乗り込みましたが、まったくその心配はありませんでした。
ガイドに合わせて、”右手に見えてくるのは~”となると、皆ついつい立ち上がって見てしまいます(笑)。
なので、社内は和やかムード。
人と自然とのふれあいが一杯で、心洗われました。
さて、角館から、あいにくの雨は止まず、、、
でも、車窓からの風景を頑張って撮影してみました。
休耕田を利用したアートが3箇所あります。
こちらは、「くにます」の絵。発祥の地、田沢湖はすぐ近くです。
ちょっとわかりにくですが、「森吉山」のカタチの絵。
このように、ちょうど退屈してきたな、、、と思う具合のところに見所を作っているようです。
乗る側の気持ちになってアイデアを考えてくれているのが感じられます。
そして、駅の様子。
こちらは阿仁前田駅。
駅員さんがにこやかに一歩前に出て出迎えてくれます。
これはどこの駅でもそうでした。
こちらの内陸線は赤字路線で、昨年、公募で任期2年の社長を選んだそうです。選ばれた方は元そごうの店長さん。
アイデアマンで、様々な企画を出し、この駅員さんのようにおもてなしの接客も心がけているそうです。
別の駅では蝶ネクタイの駅員さんもいらっしゃるそうです。
確かに、乗ってもらってなんぼです。
また乗りたいという気持ちにさせないと、リピーターはできません。
”この路線、いい感じだよね”
という乗った方々のクチコミも大事だと思います。
今回、当初は盛岡から高速バスで大館に向かう計画でした。
でも、新幹線の車中で路線地図を見てこの路線を発見し、遠い存在を思い出したこの内陸線。
しかも、車掌さんにお聞きしたところ、ちょうど内陸線唯一の急行とのつなぎもよく、また、盛岡から角館までのこまち号への乗り換えも丁寧に案内してもらえたという幸運がありました。
気軽な一人旅だったからできたことかもしれません。
それゆえ、予想以上に楽しかったです!
* * *
最後に、旅の楽しみの一つ。
駅弁です。
中味はこちら。
一品一品美味しかったです。
さすが、秋田で、お米が一番おいしい。
出発時は満席でしたが、行程半分を過ぎた頃から席が空き始めたので、ゆっくり車窓を見ながらいただきました。
この内陸線の旅。
思いがけず、なかなかのものでした(笑)。
徐行・加速時のエンジン音の響き。
お尻に響くその感触も、まるで自分がアクセルを回しているようで、心地よかったです。
旅の都合に合わせて電車を選ぶというのではなく、この一日一本の急行電車時刻に合わせて行程を決めるというのも良いかもしれません。
おすすめは秋の紅葉期間ということです。
社内販売で買った絵葉書では、春夏秋冬のいい景色が満載でした。
うん、いつかまた…、機会を作って乗りたいと思います。
* * *
さて、私のお盆の墓参り。。。
ここ鷹ノ巣から能代方面へ向かい、親類と合流。
そして翌日は大館で妻側の親類の墓参りのあと、岩木山、金木町、五所川原、そして日本海へ抜けて五能線沿いの旅&お墓参りへと続きます。
こんな機会を与えてくれた家人に感謝し、静かに、ゆっくりと時を過ごしています。
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