この日本で普通に生きていたら
人生っていろんな進路があるんだと思う。

どんな夢を描くのも自由、チャレンジもできる。

でも、トランスジェンダーは
なかなか夢を叶えにくいイメージがある。


けれど、本当にそうなんだろうか。


私は一生の半分くらいを経て
これまで生きた半分近くを
トランスジェンダーとして生きて
夢は大概叶えてきたと思ってる。


確かに差別も受けた。
こんな男みたいな体だから
こんな男としての経験ばかりだから
なかなか女として社会に馴染むのは難しい。

けど、叶わないことはないって思う。

コンビニ店員として商店街の人気者、看板娘になった。
家庭教師として教え子ちゃんたちからも頼りされ、
志望校にも何人も合格させてあげられた。
番組制作会社でAPとしてテレビ制作に関わることができた。
色んな芸能人の方に公私で良くしてもらった。
かわいいクレージュのナース服を着て
町の小さな眼科で医療事務もこなした。
フリフリのワンピース制服を着て
スイーツ販売とカフェのアルバイトもやれた。
生命保険の営業で色んな会社や官公庁の中で売りまくった。
今は結婚して子どもを預かり子育てママを頑張ってる。


こんな人生でも意外といろんなこと楽しめる。
私は楽しんできた。


でも、どれも普通よりは気にすること多くて大変かも。
でも、叶うことを証明してきた。

    

この道を行けば

どうなるものか

危ぶむなかれ

危ぶめば道はなし


踏み出せば

その一足が道となり

その一足が道となる


迷わず行けよ

行けばわかるさ


あの当時は、キワモノとして芸能人になるか

その才能を活かして歌手になるか

夜の世界に進むかくらいしか

進路が無かったのがmtfの進路だった印象。


そんな飛び抜けた才能も無ければ

ニューハーフとして生きることもできなかった。


そして「普通」の人生を生きることを目指して

普通に社会に出ていった私。


そんな道しか残ってなかった。


未来を危ぶむこともできない。

がむしゃらに仕事をしたよ。

仕事をさせてもらえることが幸せ。

こんなヤツを面倒見てくれる人たちに感謝して。

どんなことも一生懸命全力全開。

そしたら自然と居場所ができて友達ができて

みんながあたしを守ってくれるようになった。


mtfトランスを成功させるために大切なものは

体や見た目の変化に答えを求めないこと。

目標は女体化ではないはず。

幸せに生きること。


幸せって何か。

普通に女として幸せになることと言いながら、

普通の女とかけ離れた世界観を持っている人は失敗する。

世間の常識からかけ離れた感覚も駄目。

結局コミュ力発揮してコミュニティについていくこと。


そのために大切だと思うこと。特に若い子に。

それは経験と成長だとおもう。

どんな見た目の女性なのかではない。

どんな人生を生きるのか。


今、思春期の子どもたちを育てていて

少しずつ大人になってどんな仕事をするのか

仕事をするってどういうことなのか

そういうのをみんな教えられて育つ。


でも、無謀なトランスをする人たちに

その目線が殆どないのが問題だと思うわけ。

特にmtfの人たちに多い。

女性の体に変えたい、女性の扱いをされたい。

酷いものは

「奢られたい、求愛されたい、チヤホヤされなきゃヤダ」

「いつまでも女子高生のようでいたい」

あのさ、女を舐めてんの?って思う人も多い。

現実逃避や性癖でしょそれ…って人も多い

それじゃ、大人になりきれない

「ピーターパン症候群」とおなじだよ。

そういう人は救いようがない。

絶対に上手く行かない。



そうじゃない真面目なトランスジェンダーさんが

多いと信じて先の話をしますが、

まず大切なものは人生設計だと思う。

社会で生きていくために私は何をして生きるのか。

それが定まってきたら、困難にぶち当たったときに努力する。

私には何ができるのか。私には何が足りないのか。

そういう客観視、俯瞰できる力が求められる。

それが経験になり成長につながる。

そして年相応の大人になれる。



私のブログから若い世代に考えてほしいこと。

もしトランスするならビジョンをもってほしい。

人や社会のせいにばかりしないで努力してほしい。

社会はそんなに冷たくない、温かい。

けど、うまく行かないのは子供から大人になったばかりの

あなた達は世間の常識がまだまだわからないから。

しっかり学び謙虚に努力をしてほしい。


黒人差別の複雑さと同じだと思う。

差別されてるから差別されてると思い込んだ人と同じ。

己の無知が迷惑になって嫌われていたとしても

差別だと思いこんで反省ができないからさらに嫌われる。

これは若い世代に多いと確信している。


最近歳をとってからトランスした人たちが

押し並べて落ち着いて見えることに気付いた。

彼ら彼女たちは苦しみながらも世間の波を越えている。

等身大に経験を積み、等身大に世間を理解し、

将来のことも理解できているからだと思う。


だからこそ大切なものは経験と成長だとわかる。




私が経てきた場所にも私の足跡が残った。

きっとこの小さな足跡が道になっていったとおもう。


私が生きた道は前例となってる。

同じ道を歩みたいって思った人にはアドバイスもあげる。

いろんなLGBTコミュニティでいろんな経験をした

先輩たちがいらっしゃると思う。

そういう人たちの生き様を見て是非将来設計をしてほしい。


先駆者はいろんな苦労をもって夢を叶えてきたはず。

じゃぁ、後に続くみなさんはその上を超えられるよう

たくさんの経験を吸収して活躍してほしい。


前例の少ない道を進みたい人もまた沢山学んでほしい。

苦労も多いだろうけどきっと明日の当事者の希望になる。





危ぶむなかれ


その一足が道となる


迷わず行けよ

番組制作時代に猪木さんにもお世話になった。

北朝鮮から帰ってきて、すぐにアメリカに行くって

呼ばれて成田に向かったときに

空港のレストランでご馳走になりました。


あの方、どんな無茶なことでも、

上手くいってもいかなくても、

本当に元気に明るく前向きに純粋に

夢を語って走り回っていた。

そんなお話を直接伺いながら
私のTシャツが引っかかってお腹を出してしまったとき
「あれ?!ヘソピ開けないの?」なんて
ニタニタしながら尋ねられてさ…。
恥ずかしさと何みとんねん!という怒りで
腕を軽く引っ叩いた遠い昔の思い出。


道を切り開く勇気。
人のため、社会のために戦う優しさ。
希望と自信に満ち溢れた猪木さんは
本当に輝いてた。カッコよかった。

結局、元男性だということも、
プロレス怖くて大嫌いだということも
お伝えできませんでしたが(別に伝える必要ない)
猪木寛至という方があのままの素敵な殿方だったと
そして、こんな私にも温かい笑顔で接してくれたこと
こうやって普通にいろんな経験を積めるんだってこと
(ちょっと普通じゃできない経験だけど…)
当事者のみなさんにも知ってもらえたらいいかな。


性同一性障害だからと卑下する必要はないです。
しっかり夢を持ち未来を見ながらをして
自分の歩みを止めないでほしい。
無理だと思った道も歩いた人がいる。
道なき道を開いた人もいる。
そんな先人の歩みを見てほしい。
そして一歩ずつ歩みを進めてほしい。

苦労もあろう、悲しいこともあろう、
納得いかないことも、むかつくことも。
そんなときこそ人のせいにするばかりじゃ歩みは止まる。
踏みとどまれば道は拓けない。

夢をかなえる努力をして、反省して、経験を積み、
一歩ずつ進んでいきたい。

そしてその一歩がまた道となる。



我が道を進み続けた一人として今過去を振り返って
こんな楽しい人生はないと確信する。
こんな人生を送れることに感謝。

同じように楽しい人生を歩んでほしい。

若い子たち、もっと経験しなさい。
もっと苦労しなさい。
苦労を自力で乗り越えなさい。

言ってることババァ臭いけど、
甘えん坊のガキンチョを扶養するほど
世の中は甘くないよ。
トランスジェンダーなんて言い訳にならないよ。