朝、冷え切った部屋で一番にやるのは、ケトルでお湯を沸かすこと。
本当は豆から挽く生活に憧れるけど、現実は大容量パックの安いインスタント。
それでも、マグカップから上がる湯気をぼーっと眺めている時間は、誰にも邪魔されない貴重なひととき。
冬物のコート、本当は新しいのが欲しい。
でも、クリーニング代をケチって自分で手入れした去年のコートを、今年もまた羽織る。
「物を大事にしてる」って聞こえはいいけど、ただ余裕がないだけ。
男性は、女の人がみんなブランド物を欲しがってるって思ってるのかな。
実際は、ユニクロのヒートテックが今年も温かいことに安堵して、
少しでも電気代を浮かそうと厚着して過ごす夜がある。
背伸びしても疲れるだけ。
身の丈に合った、冷たい空気と温かいコーヒー。
それだけで、今日もなんとか仕事に行こうって思える。
特別な奇跡なんて起きなくていい。
ただ、平穏に一日が終わって、またこの部屋に帰ってこれればいい。
