永倉新八イズムについては、小説丸という小学館さんのサイトで書かせてもらった。要するに、永倉新八のようにしぶとく生き残って、いずれ何かを成し遂げる生き方の美学のことである。言い出しっぺはこのあだすでごぜえやす。

 

 永倉新八。新撰組二番組隊長。近藤勇も土方歳三も対立することを避けた男。三番組隊長の斎藤一と共に、新撰組の中でも最強と言われた男。そして、しぶとく大正時代まで生き残って、「新選組顛末記」を新聞連載し、それまでは国賊とされていた新撰組の評価をがらりと変えて見せるという奇跡を成し遂げた男。

 若い頃から私は彼に心酔し、オレは絶対に文芸界から消えないぞ、必ず生き残ってみせるぞと自分に誓っていたのでありました。

 

 気がつくと、デビューしてもうすぐ30年。何とか生き残っているだけでなく、しぶとく生き残る主人公を描いた小説は、今もしぶとく書店さんに置いてもらえている。拙著の主人公たちもまた、永倉新八イズムの体現者なのでありました。

 

 特に「ひなた弁当」。最初に発売してから数年は全く売れず、また初版で終わりかー、と諦めモードでいたら、じわじわと地味に売れるようになり、つい最近も連続して重版の連絡が。これこそ永倉新八イズムであります。版元さんが、冒頭のような新たなPOPなどを作って、売り込んでくださってます。15年前に発売された拙著のために、新しいPOP。しぶとく生き残る美学でごぜえやす。

 ↓ 小説丸でのコラムはこちら。

 

 最新刊の「ひなた商店街」には、永倉新八が物語に深くかかわっているんですぞ。

 詳細は読んでのお楽しみ。

 

 あのカリスマ書店主、本間悠さんが拙著「民宿ひなた屋」をコラムで取り上げてくださいました。この主人公もまた、しぶとくあきらめない男。本間さん、主人公の名前の理由にまで気づくとは、何と鋭いこと。

 

 くまざわ書店佐賀店さんも、販売に力を入れてくださっています。感謝。