みなさんもご存じ、じゃこ天騒動。
簡単におさらいるすと、こういう経緯だった。
秋田県知事が全国知事会で四国を訪れたときに、「メインディッシュがいいステーキだと思ったら、じゃこ天です。貧乏くさい」と発言。
じゃこ天は、海で獲れた複数種類の小魚を骨ごとすり身にして揚げたもので、愛媛など地元では美味しくて栄養価の高い食材として親しまれてきたもの。
そりゃ、怒られますわな、いろんな人たちから。秋田県知事、何をやってんだかという感じ。あんなことを言えばどうなるかぐらい、判らんのかって話です。
案の定、方々からの批判を受けて秋田県知事は「会場を盛り上げようという思いがあった。悪い例えだった」と釈明し謝罪。
さて、愛媛県を中心とした、じゃこ天を製造してきたかまぼこ店の方々は、この騒動のせいでじゃこ天の評判が下がることを覚悟していた。貧乏くさいというレッテルを貼られちゃったからね。秋田県知事のせいで。
ところが、逆に売り上げは5割増しという結果に。
多くは秋田県内からの注文で、「うちの知事があんなことを言って申し訳ない」というコメントが多数寄せられているという。
結果的にじゃこ天の知名度が上がり、秋田県民は親切で責任感がある人たちだと好感度が上昇。めでたし、めでたしの結果。まさに雨降って地固まる。
さて、普通に考えれば秋田県知事の無神経な発言が騒動になったが、結果的にはいい場所に着地できた、ということになるのだが、私のようなもの書きは、何でも「実はこういう裏事情があったのではないか」などと妄想してしまう生き物。どんな出来事でも、実は別の真相があったのでは、などと妄想してしまうんですな。
秋田県知事は実は、愛媛県には個人的に何らかの恩義があって、名物であるじゃこ天を広くPRしたいと考えていた、とする。
しかし普通にほめても注目を浴びることなんて。
どうすればマスコミは大々的に報じてくれるか。
マスコミの大好物は、権力者の失言。そうだ、その手で行こう。
秋田県知事は、自ら悪役になって、じゃこ天をけなした。案の定、マスコミは派手に報じてくれて、じゃこ天の認知度は急上昇。
秋田県知事は学生時代に心理学を本格的に学んでおり、秋田の県民性も研究していて、どういう反応をするかも判っていた。結果、秋田県民の好感度もアップという、ウィンウィンの結果をたぐり寄せたのであった。
いわば「泣いた赤鬼」に登場する青鬼のような手法。
すごいぞ、秋田県知事。なんちゃって ww。
あるいは、日本政府から委託を受けた某民間研究施設が以前から群集心理の研究を密かに進めていて、その一環としてこのたびの騒動が実験として行われていたとか。
秋田県知事は催眠術をかけられて、なぜ自分があんな発言をしたのか判らないでいる。そしてこのたびの実験によって、権力者が世論を操作する上での重大なヒントが得られたのであった。なんちゃって。
そんな妄想をしつつ、じゃこ天で一杯。
どーですか、お客さん(アントニオ猪木ふう)。