急降下爆撃と空中戦のシーンが実際の戦法とはかけ離れた描き方なのでおかしくてあほらしくて見てられません。日本の歴史の証言として残したい作品なら映画界のためにも実際の方法を良く調べて映画制作して欲しい点が2つありますです。

1.       急降下爆撃

米軍の急降下爆撃機が日本の艦船を攻撃するシーンのおかしさは、全然急降下せずにまるで旅客機の着陸態勢のように機種を下げた程度の非常に浅い角度で降下して爆弾を投下するシーンです。爆弾を投げ捨てるような迫力のなさ。ひょっとしてこれは水平爆撃のつもり?いやいや水平爆撃機はもっと大型の双発機が使われる。

急降下爆撃の時はもっと急角度に70度を超えると思います。これは当ブログに投稿の「戦艦武蔵の元乗組員の証言」に武蔵が米軍の急降下爆撃機の攻撃を受けた体験談にも「ほぼ垂直に急降下してきた」、とありますから間違いありませんが、手順は

     敵艦に対しできるだけ垂直に近い角度で1番機から順に突っ込む。

     続いて2番機も同様に急降下を開始する。

     この間に1番機は爆弾を投下し、後は急反転して離脱する。                 

永遠のゼロのシーンでは数機が編隊を組んだまま同時に降下してるがこれでは敵艦に接近した時に爆撃機同士が衝突するのでこんなやりかたはしないと思います。

               

                      

                                

                 

                               

 

                    

 

 

 

 

                                 

 

上図のように水平飛行しながら横に並んだ編隊が敵艦上空に来ると、編隊の左端の1番機から順番に左に機を傾けると同時にそのままの斜めの姿勢で敵艦を照準にとらえながら急降下に移る。

 

 

     海に突っまずに反転上昇できるぎりぎりの高さまで敵艦に迫って(敵艦の対空機銃からはパイロットの顔が見えるほど)から爆弾を投下する。

この間に機銃も同時に乱射しながら降下し、防弾装甲に囲まれてない対空機銃の射手など甲板上の人員も討ち倒すというすさまじいものです。

 

垂直に降下する理由は垂直に近いほど爆弾も1直線でまっすぐに落下するから落下地点が予測しやすく、命中しやすい。それに対して斜めに投下すると爆弾は放物線を描くから着弾位置が予測しにくく命中しにくいからと思われる。また垂直なら爆弾の落下速度も速くなり、敵艦の装甲鉄板を貫いてダメージを大きくできる。

 

2. 戦闘機同士の空中戦

1.の急降下爆撃と同様、編隊の左端から順番に急降下して速度をつけながら敵戦闘機めがけて機銃を発射する。

②敵機は水平のままだと弾が当たりやすいから被弾を避けるため斜めに機体をバンクさせ回避しようとするから、その後ろに回って追いかけ、いわゆるドグファイトと呼ばれる文字通りの犬の喧嘩のように相手の真後ろにかみつこうと必死で互いにぐるぐると円を描きながら相手に接近しようとして2機が取っ組み合いを演じるわけです。(日本では巴戦と呼ばれていた。図参照)編隊で戦闘開始してもめいめいが相手を定めて1対1になりやすい。

 

 日本はこの格闘戦には強いのでアメリカはできるだけ格闘戦を避け、1撃離脱法と呼ぶ方法で敵より高い位置から編隊で同時に降下して敵機の下へ抜けてそのまま逃げ去るというやり方も取られたと私の中学生頃の雑誌「丸」にありました。

 

また私が戦後間もない子供のころ(昭和2530年)に父の戦争教育でアメリカの戦争映画(対日戦)をよく見に連れていかれましたが、その時に1.の①~③の要領で、空中戦や敵艦攻撃してました。

特にジョンウェインがグラマンF6F戦闘機隊長でゼロ戦との空中戦を演じたシーンが印象的です。ゼロ戦はグラマンF4Fにはぼろ勝ちでしたがFFには速度がかなわず、ゼロ戦でも宙返り等の優れた運動性だけでは苦戦だったようです。グラマンの運動性能も捕獲したゼロ戦を徹底解剖することで向上させたのは有名な話です。

 

いずれにしても上述のような実戦を少しは思わせるような迫力あるシーンがないのが残念。原作者百田尚樹はじめ映画製作に戦争体験者がいないのはやむをえませんが、当時の資料は日本は焼却してしまってるのが多くても、前述のアメリカ映画なら日本でも上映したから今でもフィルムがあるはず、もっと勉強してから映画にしろといいたいです。  2019.4.15投稿