仕事のこと、日々の暮らし、趣味のことなど、何気ない日常の中にあるささやかな輝きを忘れないように。 -3ページ目

仕事のこと、日々の暮らし、趣味のことなど、何気ない日常の中にあるささやかな輝きを忘れないように。

ピアノ調律師をしています。何気ない日常の中に密かに隠れている輝きを見つけたい、そんなことを考えながらつらつらと書いています。

毎回通る駅の構内の片隅に、生け花が飾られていて、その生け直し?をしている人を見かけた。



生け花って、○○流とか、華々しいイメージがあったけど、普通のおばちゃんが普通に生けていた。


「この生け花は、どんなことを表現してるんですか?」


「うーん、無理しないで、自分らしく咲きましょう!って感じかな?」


そのおばちゃんとの会話(妄想)のあと、少し前に買った胃薬を飲むのを忘れるくらい、気持ちが楽になっていた。



「私の息子と同い年だわ。」


急な坂道を登ってようやく辿り着いたお客様のお家には、80歳になってからピアノを始めた老婦人がいた。





毎日母のところに通ってるという僕を「優しい息子さんだわ。親孝行ね。」と褒めてくれた。



調律のあと、たどたどしく弾いてくれた渚のアデリーヌを聴きながら、


昨日母の連続メールに耐えかねて送ってしまったメールを後悔した。








「ライブ活動を続けて15年くらい。専門(学校)を出たときは、音楽の色んなテクニックを試したくて色々やったり、毎月一曲ずつ作るという締め切りを決めてやったり…


でも、だんだんと、自分らしいペースでライブも曲作りもできるようになりました。」




昼間は会社で働いて、週末は音楽活動をしている彼女は、屈託のない笑顔で、そう答えてくれた。


竹内まりやさんの10年ぶりのオリジナルアルバム「precious days」 かけがえのない日々の大切さ。



銀色夏生さんの新しい本「ひとつの小さな楽園をつくる」



尊いものは、大袈裟なものではなくて、目の前の日々の中に自分なりの小さな(そして愛しい)楽園を作ることなんだろう。








夕方の水彩絵の具のような空と、路地裏の階段に差し込む夕陽を見ながら、


焦る自分の心を落ち着かせた。