毎回通る駅の構内の片隅に、生け花が飾られていて、その生け直し?をしている人を見かけた。
生け花って、○○流とか、華々しいイメージがあったけど、普通のおばちゃんが普通に生けていた。
「この生け花は、どんなことを表現してるんですか?」
「うーん、無理しないで、自分らしく咲きましょう!って感じかな?」
そのおばちゃんとの会話(妄想)のあと、少し前に買った胃薬を飲むのを忘れるくらい、気持ちが楽になっていた。
「ライブ活動を続けて15年くらい。専門(学校)を出たときは、音楽の色んなテクニックを試したくて色々やったり、毎月一曲ずつ作るという締め切りを決めてやったり…
でも、だんだんと、自分らしいペースでライブも曲作りもできるようになりました。」
昼間は会社で働いて、週末は音楽活動をしている彼女は、屈託のない笑顔で、そう答えてくれた。
竹内まりやさんの10年ぶりのオリジナルアルバム「precious days」 かけがえのない日々の大切さ。
銀色夏生さんの新しい本「ひとつの小さな楽園をつくる」
尊いものは、大袈裟なものではなくて、目の前の日々の中に自分なりの小さな(そして愛しい)楽園を作ることなんだろう。
夕方の水彩絵の具のような空と、路地裏の階段に差し込む夕陽を見ながら、
焦る自分の心を落ち着かせた。