仕事のこと、日々の暮らし、趣味のことなど、何気ない日常の中にあるささやかな輝きを忘れないように。

仕事のこと、日々の暮らし、趣味のことなど、何気ない日常の中にあるささやかな輝きを忘れないように。

ピアノ調律師をしています。何気ない日常の中に密かに隠れている輝きを見つけたい、そんなことを考えながらつらつらと書いています。

ピアノの調律で出会ったピアノ、持ち主様とのなんとも深いストーリーを書いていきます。また古いものが大好き。特にイギリスのアンティークなんて良いですね❗手巻きの時計とか万年筆とか古い椅子とか、思い入れのあるものについても綴っています。


現行モデルヤマハC3X2012年リニューアル品です。









C3X発売年の最初の生産ロットとなります。

製造後14年目になりますが、経年劣化した部品はほとんどなく、若干、摩耗したハンマーを綺麗な卵型に成形し直しました。


鍵盤、ハンマーなどのアクションを全てバラし、ブッシングクロス、バックチェックスキン、ハンマーローラーの変形、レギュレチングボタンパンチングなどの状態を全てチェックしています。


鍵盤バランスピン、フロントピン、弦、チューニングピン、各蝶番、ペダルなど、金属部分は新品のように磨き上げ、輝きのある滑らかなタッチと音色が復活しています。


一部のヤマハピアノに見られる鍵盤剥がれの対象に当たり、2年前に白鍵をメーカーにて、全て貼り直ししています。


C3Xは、フルコンのCFXの設計、素材、コンセプトを踏襲しており、これまでのC3シリーズとは、一線を画しているピアノだと思います。そういう意味では、C3の改良型というより、CFXのミニバージョンと呼べるかと思います。


C3Xは本来は、華やかで煌びやかなブリリアントサウンドが特徴的ですが、今回は心もちまろやかで温かみのある音色に仕上げています。


新品のときからワンオーナーで、その時から、定期調律、整調、整音を担当させていただき、前オーナーが、程よく弾き込み、安定した弦の音律と、伸びやかで重厚感のある響板に成長しています。


鍵盤ナラシ、アガキ、打弦距離、ハンマーストップ、接近距離など、専門的な整備を全て施しています。軽快なトリルやパッセージをはじめ、アフタータッチの繊細なピアニッシモが、どの鍵盤もしっかり表現できています。


特徴的なモダンなデザインのペダル、流線的なC3Xのロゴ、黒檀調天然木の黒鍵など、所有感を満たしてくれるピアノだと思います。


高さ101.幅149.奥行き186センチと、一般のご家庭でも、十分に置ける大きさです。


アップライトからグランドにステップアップを考えている方、一生モノのピアノを探している方、中古でもしっかりとしたものを探している方に是非お勧め致します。


千葉県佐倉市の工房で試弾できます。外装、タッチ、音色の確認のため、出来るだけ試弾してからのご購入をお勧めします。


送料は別になります。市内一階で 3万円くらいです。参考程度にしてください。関東近郊の方は納入調律サービス致します。


お気軽にお問い合わせください


価格 210万円(税込)

お問い合わせ 高永ピアノ調律事務所

09015554334




「おばあちゃん、ようこそ!」


半年以上、入院と老健にいた母が、姉の家族のもとに引き取られた日、


孫たちの飾り付けと、色とりどりの花束は、少しだけ鈍くなった母の表情を柔らかくした。




(もう、これは必要ないよな。)


僕は毎週、老健に通うたびに母と遊んだトランプのカードを、


ひっそりとカバンの底から取り出した。







ロイヤルブルーのインクで書き留めた、何年も前のモレスキンの手帳を眺めていた。




愛用していたペリカンの万年筆は、すっかり乾ききり、いつしか安物のボールペンに変わった。


書き留める言葉もなくなった手帳は、いつからか10分の1の値段の100均のざらざらして書きにくい紙質のものになった。


「主人がもう食べることも飲むこともできなくなって、ホスピスに移ることになったんです。」


久しぶりに届いた彼女のメールに、


僕は、メールではなく、万年筆で手紙を書こうと、


充填するインクの色を考え始めていた。