最高の技術者とは。
最低の技術者とは。
「最高」の基準は果てしなくあるが、「最低の」ではなくて、「最低限の」技術者の基準は心がけてるつもりはある。
あの人、私の希望する音やタッチにはならなかったけど、
一生懸命考えてくれて、
一生懸命やってくれて、
「いい人」だったな。
そう思われることが、
「最低限」の技術者の基準だと、思っている。
「あらー」
新規のお客様宅の駐車場で、そのお客様と、毎年調律を依頼してくださるお客様と遭遇した。お隣さん同士だったらしい。
「高永さん、いい人ですよ!」
新しいお客様に、笑顔で、そう声をかけてくださった。
「素晴らしい調律師ですよ。」
という評価はなかったけど、
「最低限」の技術者の基準は満たしたのかなと、
ちょっとだけ嬉しかった。
夕焼けに染まる西の空と、信号のストップシグナルと、バイクのテールランプを眺めながら、
暖色系の光の波長が、ざわつく心に優しく沁みてくるのを
僕は感じていた。
