「お昼は誰かに呼ばれてますか?」
当時、そのグループの中の人気者たちは、あちこちの家庭に呼ばれて豪勢なお昼にあずかっていた。
でも、目立たない彼は誰からも誘われることはなく、いつも一人で小さな公園のベンチで慎ましいランチを膝に広げていた。
「お昼は誰かに呼ばれていますか?もし、よかったらウチにきませんか?」
午前中の集まりが終わった時、思い切って声をかけた。
彼は少し照れくさそうに喜んで、小さな我が家のドアを開けて入ってきた。
「持参したサンドイッチがあるんです。」
彼はそう言って、カバンからラップに包まれたサンドイッチを二つ、取り出した。
そこには、食パンにスキッピーのピーナッツバターを挟んだだけのサンドイッチ(と呼べるかどうかはわからないが…)があった。
「これ、よかったら食べてください。」
彼はそう言って僕が出した質素なランチと引き換えに、そのサンドイッチを差し出してくれた。
「スキッピーのピーナッツバター、美味しいですよね。」
僕は彼の作ったそのサンドイッチの固い耳を咀嚼しながら、
豪勢なランチに集(たか)る人たちにはない、朴訥(ぼくとつ)な人の魅力を知り始めていた。









