白菖蒲みにくき蝶のはなれざる

  鑑賞: 白菖蒲とあるので、いわゆる花菖蒲。
      もう咲き始めている。
 
      花菖蒲の紫は色濃く、
      大和紫とでもいいたくなるような
      しっとりとした風合いだが、
      そこに混ざって咲く白は、
      初夏の日差しを受けてひときわまぶしい。
 
      まっすぐな葉と茎の上に、
      ゆるやかな花がひらひら咲く姿、
      それ自身が蝶のようにも見えるが、
      そこに白い蝶が見え隠れしている。
 
      みにくい芋虫から美しい蝶になったはずが、
      みにくき蝶とは気の毒だが、
      同じ白でも動物と植物、
      かたや体液が通い、かたや水が通っている。
 
      強くなってきた日差しと風に、
      少し疲れた蝶。
      明日には、
      菖蒲田の水にその姿を沈めるかもしれない。
 
      そんな蝶に、
      どことなく愛着も感じているのだろう。
      ひらがなの中の、白菖蒲と蝶、
      ふたつの白が交錯してゆれている。
 
      句集には、
        〈毛を風に吹かせて毛虫涼しげに
      という句もありこちらは、
      あまり好かれることがなく句の中では
      たいてい焼かれている毛虫が気持ちよさそうで、
      なんだかうれしくなる。
 
         『柳緑花紅』(1996)所収。
            (今井肖子)
 
さぬき市の亀鶴公園で毎年6月の見頃に合わせて、
長尾ショウブまつりが開催されていて、
今年も6月2日か9日に見に行くつもりである。
 
なお、「いずれアヤメかカキツバタ」という慣用句。
どれも素晴らしく優劣はつけがたいという意味であるが、
見分けがつきがたいという意味にも用いられる。
 
 
【ハナショウブ】
         外花被片に網目模様なし
         外花被片に黄色い斑紋がある 
 
【アヤメ】
          外花被片に網目模様がある
 
【カキツバタ】
          外花被片に網目模様なし
          外花被片に白い斑紋がある
 
これでアヤメとカキツバタの区別はつきそうである。
 
2024年5月21日
午前中はヨーガ教室。
 
午後はゴルフの練習。
 
明日はコートベール徳島GCのコンペに参加する。
前日に練習していい結果になったことはないのだが・・・?