週刊新潮けふ發賣の土筆かな

  鑑賞: 新聞の地方面に、
      そろそろ「土筆(つくし)」の写真が
      春の便りとして載るころだ。
 
      筆の形に似ているので、土筆と言う。
      なるほど。
 
      作者は、実際にこの春はじめての
      土筆を発見したのだろう。
 
      ぽっと気持ちが温まった耳に、
      例の子供の声によるコマーシャル
      「しゅうかんしんちょうは、きょうはつばいで-す」
      が響いてきたのか、
      ふとよみがえってきたのか。
 
      ともかく、土筆と子供の声で春の訪れの感じが
      増幅されたというわけだ。
 
      発売された「週刊新潮」本体とはほぼ無関係に、
      コマーシャルを持ってきたところが面白い。
 
      「ほぼ無関係」と言うのは、
      たぶん作者は子供の声のほかに、
      あの谷内六郎の表紙絵も
      イメージしているに違いないと思ったからである。
 
      土筆と子供と、そして谷内六郎の絵。
      これだけ揃えば、まさに「春が来た」ではないか……。
 
      創刊(1956)時のスタッフに聞いた話だと、
      表紙絵を描く人は、
      九分九厘「ベビーギャング」などの漫画家・岡部冬彦に
      決まっていたのだという。
 
      それが、土壇場で谷内六郎に変更になった。
      依頼に行った編集者が、
      画稿料として「これくらいで如何でしょう」と
      片手を広げて見せたところ、
      即座に嬉しそうにうなずいた。
 
      編集者は五万円のつもりだったのだが、
      この仕事で一世を風靡することになる抒情画家は、
      てっきり五千円だと思ったのだった。
        『歴草(そふき)』(2000)所収。
          (清水哲男)
 

週刊新潮

  株式会社新潮社から発行されているゴシップ誌。

  1956年(昭和31年)2月6日(2月19日号)創刊。

  発行部数39万部は週刊文春に次いで業界第2位。

  発売日は毎週木曜日(地域によっては金曜日・土曜日)。

 
週刊文春
  株式会社文藝春秋の発行する日本の情報週刊誌である。
  1959年4月創刊。
  創刊号が発売されたのは明仁皇太子ご成婚の前々日であり、
  「あさっては皇太子のご結婚、今日は週刊文春の創刊日。」
  という広告を出していた。
  「新聞・テレビが書かない記事」
  を書く週刊誌というスタンスをとる。
 
私はどちらも買って読んだことはないが・・・、
果たして『文春』か『松本人志』か・・裁判の行くへは気になる。
 
 
2024年3月30日
公淵公園の桜はまだ咲き始めたばかりなので、
午前中の散歩は小川下池の水位を確認に行く。
このところの雨で
最低目標の15mを超えていたらいいのだが・・・?
 
午後は昨日しなかった庭の草抜きを!!