寂蓮法師(87番)
 
 村雨(むらさめ)の 露もまだひぬ 槇(まき)の葉に
   霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
 
  ★現代語訳
     にわか雨が通り過ぎていった後、まだその滴も乾いていない杉や
     檜の葉の茂りから、霧が白く沸き上がっている秋の夕暮れ時である。
  ★作者
     寂蓮法師(じゃくれんほうし。1139~1202)
     俗名(出家する前の名前)は藤原定長(さだなが)。
     藤原俊成の弟・阿闍梨俊海(あじゃりしゅんかい)の息子で
     俊成の養子です。
     30歳過ぎに出家し、全国を渡り歩いた後に嵯峨野に住みました。
 
  ★鑑賞
     京都の北山などへ行きますと、雨が降った後、杉木立からもやが
     立ち上り、うっとりするような幻想的な雰囲気になることがあります。
     この歌は、にわか雨が降った秋の夕暮れの幻想的な景色を詠んだ
     一首です。
     日本は「雨」に関する語彙がとても豊富な国です。
     それだけ雨が生活に身近だということでしょう。
      秋に降る雨だけでも、
        ●秋霖(しゅうりん)・秋にしとしと降り続く雨
        ●村雨(むらさめ)・秋のにわか雨
        ●時雨(しぐれ)・晩秋から冬にかけて急に降ったり止んだりする
          雨のこと

にわか雨の後、霧もやの中に立つ杉木立。
幻想的な風景で、新古今集のもつ幽玄な世界を見事に表したといえるでしょう!!
 
三週続けて週末は台風による大雨は秋のもう一つの風景です。
自然は厳しいものですなぁ!
土日の地元の神社の秋祭りの獅子の役があたっています。
日曜がどうやら雨になりそうで心配です。
 
2014年10月9日
昨日スダチ酒の実(2週間ほど)を取り出した。
淡いきみどりの液から、ほんのりと酢橘の香りがする。
3か月ほど熟成させると透明に変わるらしいが・・・?