最強オヤジ伝説 -28ページ目

最強オヤジ伝説

私の父の伝記と私自身の半生の記録です

ある板前さんのケース②



まだ私が独身の頃、よく晩ご飯を食べに行く店があった



その店は結構大きな店で、板前さんが何人も居り、安くて美味しく

ボリュームもあることから、私はよく利用させてもらっていたのだ!



当然、私は顔馴染みになり、板さんともこころやすくなっていった・・・



その板さんの中でも、当時25,6歳ぐらいだったろうか、男前で愛想が良く

真面目な好青年であったB君とは、特に懇意にしていた



B君はまだ若く、将来を夢見るホントに良い青年だった!



私が店に顔を出すと決まって彼は威勢の良い声で『いらっしゃい!!』と

人懐こい笑顔で迎え入れてくれて、いつも美味しい料理を振舞ってくれるのだった・・・!



私と彼とは3,4歳ぐらいしか歳が離れておらず

年上の私に、何かと彼は相談を持ち掛けてくる、そんな間柄だった・・・!




その店は中々繁盛していて、板さんの給料も良かったのであろうB君は

経営者が自宅兼事務所に使っていた三階建ての家を、半ば強制的に買わされていたのだ!



なんでも、事務所はそのまま店が使い、使用料は毎月いくらか店が払うという条件だった!



B君は、毎月のローン返済が少し高額だったが、店が払う賃料が毎月のローンの返済の

一部にもなると考え、決断したようだった!





その話しを後で聞いた私は『少し変だな・・・』と思ったが、B君もまんざらではなかったようだし

店も繁盛していたので、その時は無用の心配のように感じるのだった・・・






やがて私も結婚し、会社を立ち上げ多忙な毎日となり、いつしかその店にも

足が遠のくようになっていった・・・





時の移り変わりは早いもので数年後

あれだけ繁盛していた店も、やがて閑古鳥が泣くようになっていった・・・





経済の法則とは残酷なもので

暇になった店から一人、二人と板さんがリストラされて、去っていった・・・









最後の最後まで夢を追い続けて頑張っていたB君も

とうとうリストラされてしまったのだ・・・!