以前石器を見つけた丘の周辺に行ってみました。
寒くなり草木が枯れて、何より嫌な蛇や虫が出でて来ないので探しやすいと思ったのです。
見栄えのしない円礫ですが、これらも石器です。
石器を作る際には、一部を除いて敲打を伴いますから、加工具が必要です。
それらは、敲き石や敲打具、ハンマーや多面体石器などと言われ、円礫を利用したものが多い様です。
外からか持ち込まれた場合は別ですが、そこに石器が有れば加工具も有るはずです。
「石器の加工具はどのようなものだったのか。」石器を実際に作り、検証することにしました。
何とか完成したのが、これらの石斧と石剣です。
現代人でも、美しい尖頭器や鏃を作る人がいますが、普通の人間にはかなり難しいので、簡単そうな石斧を選んだのですが。
最初に素材の選択です。
軟らかい石では道具になりません。ただし、硬くても、敲くと直ぐに割れたり欠ける性質の石も有りますから、素材の選択が重要なのです。
仕上げには、摺り石や砥石が必要になりますが、硬い石を滑らかにするには、かなりの労力を伴います。
それに形だけは同じ様なものが出来ても、本当の道具として使用出来るかどうかは別問題です。私の作った石斧は使用に耐えないかもしれません。
この実験で分かったのは、小さな石斧の加工でも、敲打具(加工具)にはかなり顕著な痕が残るということです。
また、石器加工はその段階で使う道具は違うものだったと思いますが、円礫意外では石棒状のものが使い易い様です。
この遺跡で石棒状の石器を幾つか採取していて、どの様な使い方をされたか疑問でしたが、石器製作具の可能性が高いと思っています。
簡単そうに見えても、石の特性の見極めや、それなりの技術を伴ないと、本当の石器は作ることは出来ない様です。