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昨日、保健所の健康保険相談に行ったトラブルの相談内容は書いてない事が

あるんですよ。


整理して書くと、わたしの知り合いが老人介護施設に入所してます。Hさんとします。

Hさんは、脳梗塞で半身麻痺で動きも鈍い。

Hさんの知り合いにIさんというおじさんがいる。

Iさんは、統合失調症(精神分裂病)。

Iさんは病気のせいもあり、話相手がいない。

Hさんは、気の毒に思ったのか、何か思いがあったのか、

Iさんの話を聞いてあげていたようです。

やがてHさんが脳梗塞で倒れましたが、Iさんは病院に見舞いによくきていたようです。

やがてIさんの挙動がおかしくなってきます。

Hさんにお金を貸して欲しいと言い出します。

回数が増えてくると、Hさんも断り始めます。

すると困った事に、Hさんがからだの自由が利かないのをいいことに勝手に

お金を捜し出して、Hさんの目の前でお金を持っていくようになりました。

このあとが書いてませんでしたが、どうもクレジットカードの申込書の

保証人の欄に無理やり、Hさんの指を押し付けて拇印を押させようとしたそうです。

これは許せません。

それ以降、施設の職員さん達が気を利かせて、Iさんの面会を断ってくださっていました。

しかし、それもあまり長い間はできないということで、保健所に相談に行くことに

なったわけです。


Iさんは、この老人介護施設の入り口でも騒いだり、Iさんの自宅付近でも

いろいろご近所とトラブルを起こしているみたいなんです。

わたし結局考えて、保健所に相談したのは、措置入院(お医者さんの判断で

入院させる)の条件を聞きに行ったんです。


聞いてきたことを書きますと、ようは複数の精神科のお医者さんが、

「入院させたほうがよい」と判断した時、可能になるということでした。

一般の方からの届出で、お医者さんが動いてくださることも法律上は可能

なのだそうですが、現実にはその方法はほとんど実行されていないそうです。

ということで、実際に可能なのは、警察ざたになって、警察が本人に事情聴取し、

挙動が不審であったり、言動がおかしい場合に警察からお医者さんに連絡が行く。

現実には、このような方法の措置入院しか可能性が無いそうでした。


Hさんが「警察ざたにしたくない」とおっしゃっているので、

しばらくは、介護施設の職員さんたちにも協力していただいて、

しばらくはちょっと心配な状態が続いています。


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長くなりました。実はわたしの判断も自信が無いんです。

あくまで、わたしの個人の考えで。と、断ってから書きますが、

この事件の話を聞いて、けっこうな割合の方が、警察ざたにして、

措置入院を目指す方法に賛成してくださるんじゃないか?とわたしは思っています。

ですが、昨日前もって差別の話を書いたのはなぜかというと、

この措置入院を目指す方法には、いろいろな意味があるからです。


一番は、何をするわからないような怖い人だから、病院の中に入っててほしい。

わたしもこの思いがあります。とにかく怖い。

ただ、もうひとつ今回の措置入院には意味があります。これは彼自身のためです。

社会で生きていくためには、最低限のルールは守らなければいけないわけで。

人のお金を盗んだり、勝手に保証人にしようとしてはいけないわけで。

だから悪いことをしたら、警察に調べられる。その結果、言動がおかしければ

入院させられるのは当たり前な事なわけです。

彼自身が今の状態からどのようになれば、幸せになれるか?

どんな状態からでも人は幸せになることができるはずです。

いやー正直、今回のこのおじさんは無理っぽいですけどね。


結果としては、措置入院がよいのではないか?という判断をしたのですが、

その理由は彼が今から幸せを見つける一番可能性のあることを考えた結果。

という風に考えたいのです。結果は同じなんですけどね。


Hさんが、お金を取られてもだまっていた。

警察ざたにはしなかった。その思いに感動すらおぼえます。

しかし現実にはたいへん困った事になってしまった。

このように精神障害の方との接し方というのは、通常の考えかたが

役に立たないことが多いのです。

どういうことか?ほんとうの自分、本質的な自分が試されているような気がします。


ここがわたし言いたい事なのですが、つまり困った人とのトラブルは、

ほんとうの自分と対話しなければならない状況に追い込まれる。ということです。

言い換えると、ほんとうの自分を見つけることができるチャンスなのです。

自分の周りの困った人たち。それがもしかしたら自分を成長させてくれるヒント

だとしたら・・・

コペルニクス的転回、思考の転換、パラダイムシフトですねー。


しかし具体的にそれに気がつくのにどれくらいの期間がかかるか?というと、

10年くらいの歳月がかかってもおかしくありません。

だって一生気がつかない方々もたくさん居られるのですから。


障害の方が身近におられる皆さん。障害の人とどのように接すればいいのか?

わたしのまったく個人的考えですが、生半可な考えかたでは、こちらの考えが

すぐに、ぐらぐらしてしまうのです。

自分の考えに一本太い芯を通しておかなければいけません。

それは、相手の障害者が今の状態から、幸せになれるにはどのような方法がいいのか?

考えはこれだけでいいのです。

そして、そう思って一生懸命やったことが、よい結果にならないこともあるのです。

かならずしも良い結果を生む必要はないのです。

大切なことは、あなたが相手の方に幸せになってほしいと真剣に考えて、

そのような事をやったのか。そのような事を言ったのか。それだけなのです。


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