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コメ読んでます。ありがとうございます。m(_ _ )m


けんちゃんの話が載っていた、鈴木秀子先生の『死者と生者の仲良し時間』

から。ある神父の言葉。


ある意味で死というものはアイロニカル(皮肉)な面を伴って現れてきます。

 ひとつの命が生まれると、その赤ん坊は泣きますが、赤ん坊を見つめる

私たちは喜びでその新しい命を迎えます。

 ひとりの人間がこの世を去る時、その人は黙り込んで返事をしませんが、

死にゆく者を見守っている私たちは悲しみ、泣いています。

 でも、私たちが泣いている、その瞬間に、その命は永遠の喜びの中で

微笑んでいるのかもしれません。

 人間の誕生と死が与える、そのような逆向きの関係こそ、死と復活の

関係の現われであると思われます。死は人間を最も偉大に、また、美しく

つくりかえます。

 生の終点に立ち、死を前にしている人間は、限りない愛と夢を発揮する

ことができるような、内的潜在力をひろげている状態にあるということです。


死者と生者の仲良し時間  鈴木秀子 文藝春秋 1997 より



今、人生や仕事に矛盾を感じて自分探しの読書を始める人にはエールを

送りたいです。

読書を始めるにあたって、この言葉が役に立つと思います。

人生は逆向きの人間関係に始まり、逆向きの人間関係に終わる。

人生は矛盾に始まり、矛盾に終わるようにいっけん見える。

人生はまんま見ていたら、矛盾だらけで樹海に迷い込んでしまいます。

その外側に自分を置いて読書することが、とても役に立つ気がします。


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