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S48 ハイム・G・ギノット・著  波多野誼余・監修 小学館



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男の子が母親といっしょに幼稚園に一日体験入園に行きました。


その幼稚園の先生が園内を案内してくださいました。


しばらくすると、男の子が壁に貼ってある絵を見て、大声で


「この下手な絵、だれが描いたの?」


すると母親が、


「こんなにきれいに描いてある絵を、へただなんて言っちゃだめよ」


そのあと横にいる先生が、


「この幼稚園ではね、きれいな絵を描かなくてもいいのよ。


きれいでない絵でも、へたな絵でも、描きたいことを自由に


描いていいのよ」


それを聞いて男の子は微笑みました。


次は、こわれたおもちゃの消防車を手にとって


「この消防車、だれがこわしたの?」


母親は、


「だれがこわしたって、あんたには関係ないでしょ。


ここの子はだれも知らないんだから」


すると先生が、


「おもちゃは、遊ぶためのものですから、たまにはこわれる


ことだってあるわ。それも壊れちゃったのね」


男の子は満足したように入園を決めたとの事です。


母親の言葉には、”その場を適当にごまかして終わらせて


しまおう。めんどうはごめんだ”というふうに感じます。


先生の言葉には、”子どもの疑問の意味を理解し、すべてを


受け止めよう”という覚悟のようなものを感じます。


どのような時でも、子どもの言葉をしっかり受け止める。


かんたんなようでむずかしいですね。