情報をわかりやすく伝えられる人は、論理的な話の組み立てができます。
もし論理的な構成が苦手と感じているのなら、説明の型を知らないだけかもしれません。
特にWebライティングで情報を伝えるときは、誰もが理解できる文章で伝える必要があります。
「ホールパート法」は、簡単にわかりやすい話の進め方ができる説明の型です。
例えば、次のように幅広いシーンで簡単に活用できます。
ホールパート法を活用できる場面の例
- 記事執筆
- 報連相
- プレゼン発表
- メールのやり取り
ホールパート法を使えば的を射た受け答えがしやすいため、仕事や記事作成がスムーズにできるようになり、好感を持たれやすくなりますよ。
本記事で疑問を残さずに理解していただけるよう、ホールパート法について順を追って解説していきます。
ホールパート法とは-基本型
ホールパート法とは、相手にわかりやすい情報伝達を行えるフレームワークで、最初に話の全容を提示してから詳細部分について説明していく手法のことです。
ホール(Whole)・パート(Part)を以下のように並べた構成で成り立っています。
ホールパート法の構成
- ①ホール(Whole:全体)話の全容
-
「これから何について(テーマ)、いくつのこと(パートの数)を話すか」を明示します。
- ②パート(Part:部分)詳細の説明
-
明示した数のパートを並べ、順に詳細説明をします。
- ③ホール(Whole:全体)まとめ
-
全体を説明し、メッセージ性を強めます。
図解で示すと以下のようになります。
活用方法は幅広く、例えば下記のような場面で活用できます。
- 1つのテーマについて、複数説明をするとき
例)猫の特徴を3つ説明する
- 時系列に沿って伝える
例)国内におけるインバウンド需要の推移を昭和、平成、令和の3つの時代に分けて説明する。
- バラバラの項目を同時に伝える
例)一度に異なる2つの質問する
汎用性が高いため、情報を伝えるほとんどの場面で使用できます。
ホールパート法のメリット・デメリット
何事も、メリット・デメリットを知ることで、正しい使い分けができるようになります。
「知ってる」から「使える」になるために、必ず押さえておきましょう。
ホールパート法のメリット
ホールパート法のメリットを3つ説明します。
聞き手がポイントを理解しやすくなる
ホールパート法は先に「何をいくつに分けて説明するのか」を明示するので、全体像がつかみやすいです。
例えば、AさんがBさんに好きな観光地について説明するとき、あらかじめ「好きな観光地と好きな理由について3つ紹介します」と伝えておけば、最初に全体像がわかるので、不明点を穴埋めしていく感覚で聞けます。
図は、ホール(全体像)を聞いた直後のBさんの理解をイメージ化したものです。
先に話の構成を図のようにイメージできます。
もし全体像がわからなかったら、話のポイントはどこなのか、何を伝えたいのかを探りながら読まないといけません。
例えば、以下のような書き出しの文章はどうでしょう?
一昨年、私は北海道へ旅行に行きました。
1泊2日だったのでどこへ行こうか迷ったのですが、函館に行くことにしました。
函館では・・・・・・をしました。
とても楽しいので大好きな観光地です。
去年、沖縄へ行ったときは・・・・・・
上記のような説明だと「いつ終わるのか?」「何を伝えたいの?思い出話?」と読み手がヤキモキするのは想像に容易いですよね。
ホールパート法では先に話の結論と構成を伝えるので、書き手と読み手の双方がポイントを共有できている状況で話を展開できます。
ただし!
人間はたくさんのこと一度に覚えられないので、パートは増やしすぎないように気をつけましょう。
短期記憶できる項目数はせいぜい4つ程度です。
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話の内容を整理しやすい
話を伝えるのが苦手な方でも、ホールパート法は型にはめるだけで簡単に話の整理が簡単にできます。
ホールパート法は伝えたいことを要素ごとに分けるだけのシンプルな型だからです。
PASONAの法則やAIDMAの法則などのように、心理的な誘導テクニックを用いた型ではありませんし、難しいことを考えずにどのようなテーマや場面でも応用できます。
人の時間を奪わない
インターネットユーザーは自分に必要な情報しか読まないため、必要以上に長く無駄な説明が多いネット記事は読み飛ばしてしまいます。
記事執筆だけでなく、すべてのビジネスシーンにおいて、正確で無駄のない情報伝達が求められるものです。
そのため結論から簡潔に伝えるスキルは、ライティング以外の場面でも必須です。
ホールパート法を用いれば、結論先でテーマのずれない展開となるため、相手の時間を無駄に奪うことを防ぎます。
やり取りがスムーズな人はビジネスシーンで好かれますよ。
ホールパート法のデメリット
デメリットを理解すれば、よりメリットを活かした効果的な活用ができるようになります。
パートの部分で伝えるスキルが露呈する
ホールパート法では詳細(パート)部分の構成は決まっていないため、自力で構成しなければなりません。
型にはめるだけで最低限の構成はできますが、長文になればなるほどホールパート法にはめるだけで構成するのは難しくなります。
よって、パートの部分は伝えるスキルが表出しやすい箇所といえます。
大枠の活用しかできない
ホールパート法は大枠の構成です。
特にパート(詳細)部分をどう伝えるかの構成は、ホールパート法にありません。
解決方法は、パート部分に別の型を用いることです。
要点をわかりやすく伝えられる「PREP法」がオススメです。
【例文】ホールパート法の具体的な使い方
ホールパート法の例文を読み、活用できるレベルまで理解を深めていきましょう。
ホールパート法の例文①|自己紹介で用いる場合
「何を」「いくつ」伝えるかを決めて先に提示すれば、相手は理解しやすくなります。
次の例文では、何を→好きな休日の過ごし方、いくつ→3つ としています。
【ホール(Whole)】
私の好きな休日の過ごし方を3つ紹介します。
【パート(Part)①】
1つ目は、ラーメン屋さん巡りです。
毎週末のランチタイムは行ったことのないラーメン屋さんへよく行きます。
ラーメンが大好きだからいろんな味を知りたいからです。
友人に美味しいラーメン屋さんを聴かれることも多く、教えてあげたら喜んでもらえることも嬉しいです。
【パート(Part)②】
2つ目は、映画鑑賞です。
映画館へ行くのは半年に一度ですが、「Amazon Prime Video」に加入しているので、家で毎週観ています。
月額600円ですが、昔の名作から新しい有名な映画まで幅広く揃っているので、ネタ切れの心配がありません。
【パート(Part)③】
3つ目は、お昼寝です。
時間を気にせず寝られるのは休日だけです。
寝ると頭がスッキリするので、好きなときに寝られる休日は最高です。
【ホール(Whole)】
私はこれからも大好きな「ラーメン屋巡り」「映画鑑賞」「お昼寝」の3つの時間を大切にしていきます。
上記の例文で伝えたいことを簡潔すると「休みの日にラーメン屋巡りと映画鑑賞とお昼寝をするのが好き」です。
もし最初のホール(Whole)の部分がなかったら、ラーメン屋巡りの話を急にされても「何を言いたいのかわからない」と相手に思わせるかもしれません。
また、お昼寝のことを話し始める頃には「いつまでこの話が続くんだろう?」と相手に思わせてしまうかもしれませんね。
ホールパート法の例文②|自己PRで用いる場合
自己PRでは、簡潔にわかりやすく伝える能力が求められます。
順序立てた話をするときや、違うテーマの話をいくつかするときにも、話の全体を先に伝えておくとわかりやすくなります。
【ホール(Whole)】
私のビジョンは◯◯をしていくことです。
そのように考えた理由を私が「取り組んできたこと」「その経験から学んだこと」「それを今後どう活かしていくか」の3つに分けてお話します。
【パート(Part)①】
まず、私が取り組んできたことです。
私は4年前から◯◯をしてきました。
〜〜(省略)〜〜
【パート(Part)②】
続いて、その経験から学んだことです。
〜〜(省略)〜〜
【パート(Part)③】
最後に、その経験を今後どう活かしていくかについてです。
〜〜(省略)〜〜
【ホール(Whole)】
経験を通し培った◯◯を発揮していきます。
「まず」「続いて」「最後に」と順序立てられた説明で、聞き手・読み手にとって「今何を伝えているのか」がわかりやすくなります。
ホールパート法の例文③|報告で用いる場合
報告は情報整理した上で行わなければ、相手を混乱させたり誤解招いたりする可能性があります。
正確で理解しやすい報告をするのにも、ホールパート法は役立ちます。
【ホール(Whole)】
打ち合わせを終えて、2つお伝えしたいことがあります。
【パート(Part)①】
1つ目は、〜(省略)〜。
【パート(Part)②】
2つ目は、〜(省略)〜。
【ホール(Whole)】
報告は以上の2つです。
最初にいくつ伝えることがあるのかわかると、聞き手・読み手もその場で情報処理がしやすくなります。
パート部分では、SDS法やPREP法を用いると、要点や要望が伝わりやすくなります。
ホールパート法の例文④|記事作成で用いる場合
記事作成でも、かなり使われているテクニックです。
例えば、次のようなテーマの記事が当てはまります。
- オススメの◯◯5選
- ◯◯の3つのメリット
- ◯◯な人の7つの特徴
数字を示すことで記事の具体性が増し、記事を読むと何がわかるのか伝わりやすくなります。
【ホール(Whole)】
日本昔ばなしは、大人も考えさせられる物語がたくさんあります。
子どもと一緒に読んで、大人も楽しめるオススメの日本昔ばなしを5つ紹介します。
【パート(Part)①】
1つ目は『桃太郎』です。
(説明する)
【パート(Part)②】
2つ目は『こぶとりじいさん』です。
(説明する)
【パート(Part)③】
3つ目は『おむすびころりん』です。
(説明する)
【パート(Part)④】
4つ目は『因幡の白兎』です。
(説明する)
【パート(Part)⑤】
5つ目は『浦島太郎』です。
(説明する)
【ホール(Whole)】
紹介した5つのお話は、小さい頃に一度読んだことのある物語ばかりかもしれませんが、大人になってから読むとまた違った捉え方ができます。
ぜひ読み聞かせの本を選ぶときの参考にしてください。
記事の場合、パートを見出しで区切って構成できます。
ホールパート法と似ている!?PREP法とSDS法との違い
ホールパート法とよく比較される型が、PREP法とSDS法です。
いずれも結論先で簡潔に話を進められる基本型ですが、使い方には明確な違いがあります。
それぞれのホールパート法との違いについて解説します。
ホールパート法とPREP法の違い
PREP法の流れは下記の通りです。
P(Point)総論
R(Reason)理由
E(Example)事例
P(Point)総論
「伝えたいこと」つまり結論を最初のPで明示し、理由と事例を説明することで根拠が伝わり、説得力をもたせやすい型です。
ホールとP(総論)が混同されやすいのですが、ホールは全体の文章構成を示すのに対し、P(総論)は伝えたいポイントを示します。
PREP法は1つの伝えたいことに対して説明を深掘りするため、PREP法単体だと長文利用には不向きです。
しかし、ホールパート法の詳細部分にPREP法を使えば、両者のメリットを活かした長文の型になります。
ホールパート法とSDS法の違い
SDS法は簡易的で基本的な型です。
流れは以下の通り。
Summary(要点)
Details(詳細)
Summary(要点)
ホールパート法やPREP法も、SDS法の要素を含んだ型になっています。
SDS法は記事全体のような大枠でも、見出しごとのように小分けのパートにも活用できます。
SDS法、ホールパート法、PREP法はいずれも話の前後に、まとめ・結論・要点を伝えることで、一貫性をもたせやすくなります。
【番外編】WikipediaやWeb辞典での説明
ホールパート法の定義を辞書などで調べてみました。
Wikipedia、goo辞書、オンラインの広辞苑、大辞林4.0には記載がありませんでした。(2024年5月18日現在)
weblio辞書にて記載がありましたので、紹介します。
「ホールパート法」とは、最初に全体像を示した上で、話の各部分を説明していくコミュニケーション手法。「ホール(whole)」は全体、「パート(part)」は部分を表し、最後に結論に戻ることで伝わりやすい効果的なプレゼンテーションを目指すときに使われるフレームワークです。例えば、「今日の議題は三つです」や「特長は二つあります」などと先に述べた上で詳細な説明に入ることで、聞き手も話の枠組みをつかむことができ、より話の内容に集中できるようになります。
weblio辞書『人事労務用語辞典』より
まとめ
ホールパート法は汎用性が高く、ビジネス上のやり取りにおいても活用できるので、Webライターとして覚えておきましょう。
記事では1つのテーマに関していくつかの要素を説明するものがほとんどですし、結論を先に伝えることは基本であることから、ホールパート法は記事執筆において使う場面が多い型です。
また、PREP法やSDS法と掛け合わせることで長文作成も簡単になります。
ライターが覚えるべき型のひとつですよ。
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