記事を書いていると、あれもこれも伝えたくなることもあるかもしれません。

 

しかし人が一度に記憶できる情報量は限られているため、情報を詰め込み過ぎることで、かえって大切な情報を忘れられてしまう可能性が高くなります。

 

自分の伝えたいことを一度にすべて伝えようとするのは、自分の思いを最優先しているだけの記事となり、読み手に必ずしも有益とは言えません。

 

ただし、情報量を意識的にコントロールすることで、読み手にとって記憶に残る記事に、書き手にとって人に伝わりやすくなる記事になります。

 

読み手にも書き手にもメリットがある情報の数についてお伝えします。

 

人が短期記憶できる量には限界がある 

頭を抱える人

 

人の記憶は大きく3つに大別されます。

 

 

  • 感覚記憶 瞬間的に起きる五感による記憶
  • 短期記憶 数十秒程度覚えていられるが、容量に制限のある記憶
  • 長期記憶 数分から一生にわたって記憶でき、容量にも制限がない記憶

 

記事を読むときに司る記憶は短期記憶なので、残念ながら人が覚えていられる情報量には制限があります。

 

認知心理学では、短期記憶として覚えていられる情報量のことを「マジカルナンバー7±2」といわれてきました。

 

1956年、当時ハーバード大学心理学科の教授を務めていたジョージ・ミラーによって発表された法則です。

 

「マジカルナンバー7±2」とは、見聞きした情報を直後に思い出せる量は5~9個であることを意味しており、情報量1個のかたまりをチャンクと呼びます。

 

例えば、"I am fine."を3つの単語と認識した場合チャンクは3つですが、"I’m fine."とするとチャンクは2つです。

 

単語ではなくアルファベットとしてそれぞれの情報を捉えた場合、”I,a,m,f,i,n,e”となるのでチャンクは7つです。

 

さらに例を挙げましょう。

 

携帯電話番号は0X0-XXXX-XXXXと3つのチャンクに分かれています。

 

一文字ずつではなく3つのかたまりとして捉えるので記憶しやすくなります。

 

しかし21世紀になってから、ミズーリ大学で心理学教授をしていたネルソン・コーワンによって、「マジカルナンバー4」が新しく発表されました。

 

短期記憶のチャンク数は3~5個であると修正されたのです。

 

つまり現在の認知心理学によって明らかにされている、人が一度に記憶できる情報量は、たった3~5個ということになります。

 

この法則をライティングに活用していきましょう。

 

 

伝えるべき情報の数 

タイピング

 

記事執筆の際に1つのコンテンツで記憶してもらいやすい情報量は、「マジカルナンバー4」に基づくと3~5個となります。

 

つまり、覚えておいてもらいたいコンテンツでは、伝えたいことや要点を3つに押さえることがポイントです。

 

一度にたくさんのことを伝えたくなることがあるときは、情報整理をし直すべきでしょう。

 

ただし、情報は少なければよいわけではありません。

 

覚えてもらうことよりも情報量をアピールしたい場面では、「マジカルナンバー4」を上回る情報量をお伝えしましょう。

 

例えば、商品・サービスのメリットを挙げる際には、覚えきれない方が「良いことがたくさんありそうだ」と印象づけられますね。

 

情報量は「多い方がよいか、少ない方がよいか」と捉えるのではなく、目的に合わせて使い分ける必要があります。

 

 

まとめ 

ノートと数字

 

人が記事を読んだときに一度に覚えられる情報量は限られており、その法則を「マジカルナンバー4」といいます。

 

そのため、1つのコンテンツで伝えることは3~5個にとどめることで、伝えたいことを覚えてもらいやすくなります。

 

商品メリットを伝えるときには、あえて多くの情報を伝えることも有効ですよ。