日常会話でも使う機会の多い「コト」ですが、使い分けを意識していますか?
「〇〇のコト」「〇〇なコト」「〇〇するコト」など、普段から汎用的に使う言葉です。
何気なく使いがちですが、文章で書くときは漢字とひらがなを使い分ける必要があります。
これらの使い分けは中学生のときに国語で習っているのですが、時の流れとともに忘れてしまうものです。
使い分けと聞くといちいち面倒に感じるかもしれませんが、最低限のポイントを押さえれば超カンタン!
すでにバッチリ使い分けている方は、復習にお役立てください。
今まで意識していなかった方はぜひこの機会に覚えてくださいね。
「こと(事)」の使い分け
漢字で書くのは「こと」に具体的な意味がある場合です。
漢字本来の意味を成すときとも言えるでしょう。
漢字で書くべきパターン
「事」には事実・事件・事情・事態・万事・無事・不祥事・関心事などの熟語がありますよね。
簡単に言えば、これらの熟語に言い換えられる場合は漢字を使用します。
事の始まりは、さかのぼること3年・・・
他には以下の場合に漢字を使います。
【漢字で使う他の例】
- 人称に続けて使うとき
(例)私事
- 動詞の連用形に続けて行為を示す言葉
(例)悩み事、習い事、きれい事
ひらがなで書くべきパターン
本来の意味をもたない言葉として使う場合は、ひらがな表記にします。
主に形式名詞として使うことが多いです。
形式名詞とは実質的に意味をもたない名詞のことで、「こと」「もの」「とき」「ところ」があります。
連体修飾語に続けて機能するため単独では意味をもたず、連体修飾語によって意味が決まります。
何か楽しい”こと”ないかなぁ~。
言うだけでなくて、行動する”こと”が大事だよ。
このように、よく動詞についています。
『大辞林4.0』に、形式名詞「こと」の使い方12パターンが説明されているので、すべて紹介します。
②形式名詞。上に修飾語を伴ってどんな事柄であるかが限定される。
㋐ある物事に関連する事柄。「自分の━は自分でしなさい」「試験の━を話す」「彼の━だからうまく処理するだろう」
㋑ある人物が動作・心情の対象であることを示す。「彼は彼女の━が好きらしい」「私の━をほめてくれた」
㋒(「…のことをいう」 「…のことだ」などの形で)言葉が何かをさしていることを示す。「タイガーとはトラの━をいう」「今の話の某氏というのは遠藤さんの━だ」
㋓行為。仕業。「自分のした━を反省しなさい」「今日はいい━をした」
㋔言葉の内容。言葉の意味。「彼の言った━を聞いたか」「彼女は私の言う━がよく分からないらしい」
㋕(「…ということだ」の形で)うわさ。伝聞。「彼は来年留学するという━だ」
㋖(「…ことがある(ない)」の形で)経験。体験。「外国へ行った━がある」「それについて深く考えた━がない」
㋗(「…ことにしている」の形で)習慣。しきたり。「朝は六時に起きる━にしている」
㋘(「…ことはない」の形で)必要。「何も急ぐ━はない」「彼に同情する━はない」
㋙(「…ことだ」の形で)「…ことが大事だ」の意を表す。「合格したかったら勉強する━だ」「風邪気味の時は早く寝る━だ」
㋚(「…ことにする」の形で)「…という方針を決める(決心をする)」の意を表す。「試してみる━にしました」
㋛(「…ことになる」の形で)成り行き。結果。「黙っていたということは、認めた━になる」
引用元:大辞林4.0 ©三省堂2019
他にも以下の場合にひらがなを使います。
【ひらがなで使う他の例】
- 副詞のように使うとき
(例)長いこと待つ。うまいことやる。 - 通称と本名を述べるとき
(例)ドンちゃんことドレミです。(筆者の飼い猫です)
使い分けのポイント
使い分けで押さえるべきポイントは形式名詞かそうでないかです。
私は中学2年生のときに国語の先生から習ったのを覚えています。
形式名詞についての授業で、先生は当時中学生だった私たちにこう言いました。
「実質使い分けが難しい場面が多いと思うので、わからないときは、ひらがなにしておけば間違いないですよ」
年々、簡易的な文章が好まれるようになってきており、あらゆる媒体において漢字を開く表現が増えています。
当時、先生からの「無理して漢字にしない」とのアドバイスは、時代の流れに合ってきていると感じます。
まとめ
正しく使い分けるために「言葉の意味を完璧に理解して、その都度正しい判断をしなければ・・・!」と重く捉える必要はありません。
使い分けは思ったよりも簡単で、ポイントは次の3つだけです。
- 熟語で示せる具体的な事柄は漢字
- 形式名詞はひらがな
- わからないときは「ひらがな」が無難
ぜひお役立てくださいね。


