相談支援の仕事をすると、いろんな人と連絡をするようになります。

その中でも状況によっては医師に連絡をすることもあります。

 

ちょっと前まで自分にとって医師は「高い存在」に感じていました。

今でもその考えはあまり変わらないのですが、うちの法人の理事長が精神科医で色々と話をするうちに、少しだけ壁の高さが低くなってきました。

 

とはいえ、医師にはいろんなタイプがいます。

親身に考えてくれる医師がいれば、対応がそっけない医師もいます。

 

相談支援専門員として仕事をするようになり、医療との関わりは多くなりました。

特に精神分野では精神科医との対応も多くなり、一緒に受診同行をすることもあれば、いわゆる「主治医連絡」として電話やお手紙を出すこともあります。これが相談室のある精神科病院であれば相談室(PSW、でも今はMHSWって書くんですよね。)に連絡するのですが、配置していないようなクリニックなどは主治医に直接連絡することもあります。

 

つい先日、こんな対応をされてしまいました。

自分の担当している方について、障害福祉サービスの支給について主治医からの意見が聞きたいことをその方に伝え、その時に診療情報提供書を使うことを助言しました。診療情報提供書は一般的に「紹介状」とも言われることが多いですが、先生に意見を書いてもらうときに「診断書」よりも「診療情報提供書」の方が費用的にかからないところがあります。また診療情報提供書は障害福祉サービス事業所に対する情報提供でも使うことができるので、その方法を助言し主治医から送っていただくようお願いしました。

 

その後だいぶ時間が経ってから、診療情報提供書が届きました。

主治医に提供のお礼と内容の確認のために電話をしましたが、その時に思わぬことを言われました。内容の確認は問題なかったのですが、合わせて主治医から「本人に対して主治医を変えるよう話してくれ」と言われました。

 

本当に初めて連絡したのに、いきなりそんなことを言われるとは思いませんでした。

念の為「先生からはご本人にお話しされていますか?」と確認すると「している」とのことだったので「わかりました。ではこちらの方からも・・・」と話している最中に、先生の方から電話が切られる状態。えーっ・・・って感じです。

 

そんな話になってしまい、今度はご本人に電話。

でも話の内容は先生が言っていることと正反対。先生との関係も自分が電話で話した印象と正反対で、主治医変更の話についてもご本人からは「されていない」とのこと。そんな状態だから、その後の話はだいぶ荒れたものになってしまいました。

 

いやぁ、困ります。ご本人の言っていることと先生の言っていることの食い違い。

これじゃ何も判断できません。まぁ自分なりにどこかで着地点は見つけないといけないのですが、少なくとも「主治医の変更」をこれ以上自分の方からいうことはできません。個人的には「この先生で大丈夫か?」と思いますが、ご本人が信頼されているので立ち入る余地はありません。むしろ、この問題は先生の方で決着していただくほかありません。

 

同じ「主治医の変更」でも、別の精神科医は全く別の対応。

別の方のケースでも主治医から「主治医を変更してもいいと思うんだけどねぇ・・・」とソフトな表現。こちらはちゃんと納得できる説明をしてもらったので同意もできましたし、先生の方から「変更するように話してくれ」と言われることはありませんでした。また自分の考えや実情についても理解して頂けたので、主治医のことは逆に自分の方から「働きかけてみます」ということができました。まだ主治医の変更には至っていませんが、それ以上先生からこちらに働きかけがあるわけでもないので、逆にこちらからもこまめな情報提供を行うことができています。

 

そしてうちの法人の理事長は、自分の担当している方の主治医。

当然ながら話は進みやすいです。当然ながら「顔の見える関係」なので、話も通しやすいです。ただ顔の見える関係でなくても、この先生の場合はどんなケースでも連絡が取りやすいと思います。やっぱり先生の人となりが大きいのだと思います。

 

色々と話を聞くと「随分とだなぁ・・・」と思う医師もたくさんいます。

実際に自分が関わって「そりゃ、ないよなぁ・・・」と思うこともあります。まぁ医師であるけどその前に一人の「人」ですから、その辺は医師としての「権威」ではなく「姿勢」によって違うんだろうなぁ・・・と最近は感じています。権威が仕事やりにくくしているのではなく、その医師個人の資質で連携のしやすさが変わるのかもしれません。

 

対等な関係とはいうけど、対等になれない関係もある。

そういうケースほど、色々と難しいものです。