あんまりここで堅い問題を扱いたくないのですが・・・
ただ、あまりにもメディアに取り上げられていないので、ここはあえて書きたいと思います。
東京都は先月の9月30日に、障害者支援施設に対して行政処分を出しました。
出されたのは昨年の同日に、障害者虐待を理由に行政処分を出された施設と同じ施設です。今回同じ処分が出されたのは、昨年に重い行政処分が出されたのにもかかわらず何も改善されておらず、そのため再度同じ行政処分が継続して出されたものと認識をしております。
報道発表は長いので、報道発表の通りに載せるとともに、要点は太字で抜き出します。
指定障害者支援施設の行政処分について
平成26年9月30日 福祉保健局
本日、都は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」(平成17年法律第123号。以下「法」という。)第50条第1項及び同条第3項に基づき、指定障害者支援施設等に対して以下の処分を行うことを決定しました。
1 事業者の名称・所在地
1.名称 社会福祉法人田無の会 理事長 田中清
2.所在地 東京都西東京市向台町三丁目1番11号
2 事業所名等
1.名称 たんぽぽ
2.所在地 東京都西東京市向台町三丁目1番11号
3.サービスの種類 障害者支援施設(施設入所支援、生活介護)、短期入所
4.開設年月日 平成12年4月1日
5.指定年月日 障害者支援施設:平成23年4月1日 短期入所:平成18年10月1日
3 処分内容 指定の一部の効力停止
平成26年10月1日から平成27年9月30日まで(12か月間)、新規利用者の受入れを停止すること。
4 障害者総合支援法に基づく指定の一部の効力停止理由
(1) 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設等の設置者の責務違反(法第50条第1項第2号及び第3項(法第42条第3項違反)該当)
平成25年9月30日に都が行った指定の一部効力停止処分(以下「平成25年度処分」という。)の後においても、理事長等が、利用者の家族や従業者に対し、処分理由となった従業者の利用者に対する暴行について、虐待に当たらない旨を主張しており、障害者虐待についての誤った認識を改めておらず、未だに、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のための取組が不十分である(詳細は(2) 1))。
さらに、利用者に対して、正当な理由なく、サービスの提供を拒否しており(詳細は(2)3))、これらのことから、障害者支援施設等として、障害者の人格を尊重して、障害者のため忠実に職務を遂行していない。
(2) 事業者の運営基準違反(法第50条第1項第4号及び第3項該当)
1) 利用者の人権の擁護、虐待の防止等のための取組が不十分
当該施設は、平成25年度処分において「利用者の人権の擁護、虐待の防止等のための取組が不十分」が処分事由に挙げられていたにもかかわらず、下記アからウまでのとおり、未だに、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のための必要な体制の整備、従業者に対する研修等に十分な措置を講じていなかった。
・ア 虐待を未然に防止するための体制の不備
(ア) 運営規程等の内容が不十分
当該施設の運営規程、平成26年度事業計画書等において、人材育成等の体制整備など具体的な措置の内容が定められておらず、平成25年度及び平成26年度事業計画書に設置が定められている「人権擁護委員会」について、その構成員等が具体的に規定されていない。
(イ) 虐待防止の対策を進める内部組織(虐待防止責任者、人権擁護委員会等)の未整備
管理者(施設長)が「虐待防止責任者」に就任しているものの、虐待防止マニュアルに目を通しておらず、「虐待防止責任者」として機能していないほか、「人権擁護委員会」は、平成25年度処分以降、一度も開催されておらず機能していない。
さらに、平成25年度処分後に、法人が都に提出した報告書において設置するとしていた「虐待防止委員会」が、未だに発足していない。
・イ 人権擁護、虐待防止等のための研修等が不十分
事業計画書等に、人材育成について具体的な定めがなく、体系的な人材育成の見地から計画的な研修を行っていないほか、平成25年度処分の後においても、人権擁護、虐待防止等のための研修への参加は、一部の従業者にとどまっている。
また、平成25年度処分の後においても、厚生労働省が発出した、障害者の虐待防止や権利擁護に関する通知等を従業者に周知せず、虐待防止マニュアルについても、平成26年7月に従業者に配布したのみで、その内容について周知徹底を図っていない。
・ウ 虐待が疑われる事案に対する対応が不適切
平成26年4月15日に「たんぽぽ」従業者の利用者に対する暴言等について、都に通報があり、都が施設において聞き取り調査を実施したにもかかわらず、理事長等が、暴言等を行った従業者から聞き取りを行っただけで、上記ア、(イ)のとおり、人権擁護委員会又は虐待防止員会を開催せず、施設として組織的に事実の検証を行わなかった。
また、理事長等が、「誤った虐待通報は通報された者の人権を侵害する」などと、速やかな通報を義務付けた障害者虐待防止法の趣旨に反する発言を行っている。
2) 管理者による管理等が不十分
平成25年度処分において、管理者、統括、統括代理、常務理事の権限及び責任が不明確であり、従業者及び業務の管理等について管理者による一元的管理が行われていないことが指摘されていたにも関わらず、以下のとおり改善されていない。
・ア 管理者の管理者権限や管理者責任が不明確
当該事業所は、管理者のほかに、理事長が「統括」及び理事1名が「統括代理」との役職に就任していることから、管理者の権限や責任が不明確になっている。
当該法人は、「統括」の役職を平成26年3月に実質的に廃止したと、都に報告しているが、従前どおり「統括」及び「統括代理」との役職が存続している。
・イ 管理者の関与のない物品の発注
理事長及び常務理事が、管理者(施設長)の関与なく、物品を発注している。
・ウ 管理者の関与のない事業報告書及び決算案の作成
管理者の専決事項である施設の事業報告書及び決算案の作成について、管理者(施設長)が関与していない。
3) 正当な理由のないサービスの提供拒否等
・ア 正当な理由のないサービスの提供拒否
指定障害者支援施設は、正当な理由なく、施設障害福祉サービスの提供を拒んではならないにもかかわらず、平成24年2月1日から平成27年1月31日までの利用契約を締結している利用者に対して、正当な理由なく、サービス提供を拒否し続けている。
・イ 不当な費用の徴収
当該利用者に対して、サービス提供を拒否している期間においても、当該利用者から「おやつ代」、「テレビほか電気代」を徴収しており、当該利用者から徴収した金銭の返還請求があったにもかかわらず、返還していない。
5 改善措置について
平成25年度処分における処分事由の多くが改善されず、本件処分に至った事実は重大であり、理事長等の責任を明確にした上で、早急に組織・管理体制の見直しを図り、処分事由にある法令等違反状態を改めるとともに、施設運営及び利用者支援等について必要な改善措置を講じ、都に報告をするよう指示している。
※関係法令は別紙参照
細かい点はいくつかありますが、要点は以上のとおりです。
正直自分も知っている施設でありますので、このようなことが日常的に行われていたことが残念でなりません。それどころか、行政処分を真摯に受け止める姿勢すら感じられない状況でもあります。本来であれば1発の行政処分で立ち直らなければならないのですが・・・残念ながらこの施設は無理のようです。であれば、最悪の方法ですが「指定取り消し」が一番ではないのかと思います。そのうえで、もう一度志の持った人を中心に、全く新しい施設を作り直すことの方がよいのではないかと感じます。