今日の午後は「講師」として、プログラムを担当。

そんな講師なんて大それたことですが、ビーズの指導をしました。


ビーズの指導をするのは、今回が2回目。

昨年の10月から試験的に、高次脳機能障害の方の認知グループ訓練がプログラム化され、今年度からはクローズ的ながら正規のプログラム化されることに。その中で「制作活動」の一環でパーラービーズを組み込まれており、そこで自分がビーズ指導をすることに。形としては「講師依頼」としてかかわることに。


その前に「高次脳機能障害」について簡単に触れないと。

高次脳機能障害というのは、一言で言うと「色々な情報処理をする過程の障害」です。例えば健康な人であれば無作為に書かれた数字の羅列のうち、一時的に記憶できる数字の数は4個から7個と言われています。しかし高次脳機能障害の方は、一定時間記憶のために数字の羅列を見ても覚えることができない方がいます。また健康な人ならある程度の感情コントロールはできますが、高次脳機能障害の方はそのコントロールが難しかったりします。さらには自分の左側にあるものが全く認識できないと言った空間の認識ができない方もいます。症状は様々ですが、これらはすべて脳の中で処理・判断されます。その処理・判断ができず、その原因が「脳に障害(事故などの外傷・脳卒中など)が与えられ、その結果認知障害がある」ことを「高次脳機能障害」と言います。本当はもっと定義がきちんとあるのですが、ここではわかりやすくするために細かいことは省いて説明をしています。


話は戻りますが、高次脳機能障害の方にアイロンビーズを取り組んでいただきました。

今回は男性2名、女性2名の4名の方に取り組んでいただきました。男性2名は前回の試験実施ですでに体験をされていたので、今回が2回目となりました。ただ実際のところはどんな感じになるのかは心配でした。前回の反応はあまり芳しいものではなく、比較的容易な作品を1つ作っただけで終わってしまったため、今回もあまり乗らないのかな・・・と思っていました。


ところが、ふたを開けてみればそんな心配は無用でした。

色々と様子を見ながら説明をしていましたが、女性の方から「これ、やってみたい!」と反応があり、その反応につられて男性からも「じゃ、これやってみよう」と反応がありました。そして男性が選んだのは前回よりも倍近くビーズを使用するデザインを選択されたので、正直時間内に完成できるか心配でした。が、その心配もどこ吹く風。あっという間に完成させ、さらにもう1つ作ってみるとのこと。その結果、参加されている方全員が2つ作品を作られ、しっかりと最初から最後までプログラムに乗ることができました。


後から聞いた話では、男性の方からは「楽しかった」との反応。

前回はビーズの数を数えながら並べて辛かったけど、今回は楽しく作ることができたとのこと。たしかにプログラムが終わって帰られるときの表情は非常に充実感に満ちており、あいさつからも充実感を感じ取ることができました。事実、前回よりもはるかに出来栄えの良い作品が完成しており、それは形としてもきっちりと残っています。


前回のプログラムから半年経っての今回でしたが、確実に認知訓練の成果はありました。

認知グループ訓練は月2回実施され、午前は認知訓練、午後はレクリエーションや制作活動を実施していました。今回も同様に行われているのですが、認知グループ訓練に参加されている方は確実に成果が見についていることを実感しました。高次脳機能障害を持つ人の多くは「集中すること」を苦手としている人が多く、前回は集中が続かずに終わってしまってました。しかし今回は最後まで集中が途切れることなく作ることができ、その結果がはっきりとわかる形で残ったことで更なる満足感を得たのだと思います。自分は全然認知訓練に関わってなく、今回のようにビーズのときだけ関わっているのですが、この成果の表れには本当に自分も驚いています。前回はモチベーションを持ってもらうために無理に持ち上げていた部分もありましたが、今回はホントに素直に評価できたところに、努力の跡を感じました。


小さなことの積み重ねですが、どんなことでも訓練をすればその成果が出ることを、証明しています。

人数的な問題などもあり大手に広げてはできないのが実態ですが、もっと発展させる形で広がりがあれば、少しでも多くの高次脳機能障害を持つ人の希望につながるのではないかと感じています。