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リトル・プーリームのプラスティック・スリル・ブログ

テレビの低級化に抗し、マジで音楽を憂い、予言蔓延する世に悩み、
焦り多き家庭に困り、後悔伴う仕事に苦しみ、レーザー的に精密な
日本語の駆使に迷う中年男の見込み違いとニガリきった日々のアレコレ。

1年の経過は早いものだ。


"Countdown USA 2013年上半期 ベスト20"

「ベストヒットUSA」(BS朝日)が、2013年7月30日に放送した回で、アメリカのラジオ放送回数による「2013年上半期ベスト20」を発表していた。
多忙のうちに1年近く経ってしまった今、改めて、それを回顧してみたい。
多数のヒット曲が、あっという間に忘れられている(陳腐化している)ことを痛感させられる。
(ちなみに、番組の公式サイトが毎週のチャートを載せることをしない怠慢ぶりには、本当に呆れてしまう)


20. Just Give Me A Reason (P!NK f/ Nate Ruess)
 これは歌謡曲としてよく出来ていた。すでにFun.は「一発屋」の有力な候補。
19. It's Time (Imagine Dragons)
    これも歌謡曲としてよく出来ていた。イマジン・ドラゴンズは山師の才がある(が、魂はない)。
18. One More Night (MAROON 5)
    陳腐な歌謡曲しか作れないマルーン5のファンなんているのだろうか?と、いつも思う。(魂の欠落ぶりでは、イマジン・ドラゴンズ以上の空疎さだ)
17. I Cry (Flo Rida)
    フロー・ライダーのヒップ・ホップ・センスの喪失ぶりにも、嫌気が差す。
16. Feel This Moment (PITBULL)
    ピットブルのエセ・ラッパーぶり……白いスーツに坊主頭、というヤクザ路線が痛々しい。
15. Die Young (KE$HA)
    ケシャのおバカ・パワーには、いつも唖然。メイクのしすぎは自己破壊に近いものかもしれない。
14. Try (P!NK)
    これもピンクの曲。「マッチョな女でいてもイイですか」、と、しおらしく歌う演歌世界。
13. Diamonds (RIHANNA)
    リアナ特有の野太い歌唱法。もはや不動のスケバン女王。
12. Suit & Tie (Justin Timberlake)
    お上品なスター、ジャスティン・ティンバーレイクの膨大な時間とカネをかけた無難なサウンド。  
11. Stay (RIHANNA f/ Mikky Ekko)
    スケバン・リアナのスケバン演歌、といったシロモノにゲンナリ。
10. Beauty And A Beat (Justin Bieber f/ Nicki Minaj)
    最近のジャスティン・ビーバーのみごとな不良っぷりが、当時は異質だったニッキー・ミナージュとのコラボを意外に正当化しつつある。
9. Sweet Nothing (Calvin Harris f/ Florence Welch)
    頑張ってインパクトを持たせようと工夫してもカルヴィン・ハリスのサウンドは単調ですぐに忘れてしまう。
8. Screem & Shout (Will.i.am. & Britney Spears)
    ウィル・アイ・アムのサウンドは、最初から印象が薄すぎて、なんだかよく分からない霞のようなものだ。
7. When I was Your Man (Bruno Mars)
    ブルーノ・マーズの恥部といってもいいほどの、酷い、お粗末な演歌。
6. Ho Hey (The Lumineers)
    2014年フジ・ロック来日予定のルミニアーズも、なんとなく「一発屋」の候補だ。
5. Daylight (MAROON 5)
    もう一曲、マルーン5のダサくてカラッポな歌謡曲が上位に食い込んだ。
4. Thrift Shop (Macklemore & Ryan Lewis f/ WANZ)
    マックルモアのような尖った存在が、アメリカのチャートには希少。ただ、サウンドにもう少し面白みがあれば……
3. Don't You Worry Child (Swedish House Mafia f/ John Martin)
    スウェーディッシュ・ハウス・マフィアは、すでに「一発屋」確定だろう。
2. I Knew You Were Trouble. (Taylor Swift)
    ダメなコをあえて演じる?才媛テイラー・スウィフト、いや…あるいはミーハーな田舎娘らしさが本質なのか。
1. Locked Out Of Heaven (Bruno Mars)
    自らの才能を極度に水で薄めることが得意なブルーノ・マーズの、マシなほうな曲。


*****

ついでに、2013年7月30日のチャートも、いまさらながら、メモしておこう。


20. Next To Me (Emeli Sande)
19. I Need Your Love (Calvin Harris f/ Ellie Goulding)
18. Love Somebody (Maroon 5)
17. #Beautiful (Mariah Carey f/ Miguel)
16. Clarity (ZEDD f/ FOXES)
15. Stay (Rihanna f/ Mikky Ekko)
14. Heart Attack (Demi Lovato)
13. The Way (Ariana Grande f/ Mac Miller)
12. Treasure (Bruno Mars)
11. The Other Side (Jason Derulo)
10. Radioactive (Imagine Dragons)
9. Blurred Lines (Robin Thicke f/ T.I. + Pharrell)
8. My Songs Know What You Did In The Dark (Light Em Up) (FALL OUT BOY)
7. Cruise (Florida Georgia Line f/ Nelly)
6. Get Lucky (DAFT PUNK f/ Pharrell Williams)
5. Just Give Me A Reason (P!NK f/ Nate Ruess)
4. I Love It (ICONA POP f/ Charli XCX)
3. Come & Get It (Selena Gomez)
2. Mirrors (Justin Timberlake)
1. Can't Hold Us (Macklemore & Ryan Lewis f/ Ray Dalton)


マックルモアが気勢をあげていたチャート。

振り返ってみると、この時期、ゼッド「クラリティ」、ブルーノ・マーズ「トレジャー」、ロビン・シック「ブラード・ラインズ」、イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」あたりが、このあと空前の大ヒットになっていく前兆のチャートになっていた。

たしかに、この4組、今でもなにか、アメリカ的なメジャー・シーンを代表する4種類のサウンドを体現している。

つまり、
 ゼッド=EDM
 ブルーノ・マーズ=レトロ・ディスコ
 ロビン・シック=ホワイト・ヒップ・ホップ
 イマジン・ドラゴンズ=アリーナ・ロック
ということで、
このようなメジャーな音楽動向が、年を越しても継続していたが、最近ちょっと変化が見られる。


肩透かし的に発表されたファレルの能天気ソウルがシーンを支配してきたようだし、他方で、EDMの無名作家がどんどん売れてしまうという、かつての「黒人ラッパーなら、誰だか分からなくても売れる」的な状態が生じつつある。


俺のようなヒップ・ホップ・マニアにとっては、困った時代になったものだ。そして、オールド・ロック・ファンにとってみても、何の面白みもない時代かもしれない。


去年9月に発表され、スカスカのダンスサウンドと長大な尺で意表をついたアーケイド・ファイア(21世紀の最重要バンド)のシングル「リフレクター」は、実は、皮肉と絶望に満ちた詩世界だった。

それを日本語に訳してみた。



「リフレクター」というのがまずクセモノで、ふつうは、reflectorと綴るはずだが、"Reflektor"は、cではなくkなのだ。

まあ、なんとなく、ドイツ語っぽい印象がある。

"k"を使った部分に込められた"毒"というのがあるはずだが、よくわからない。



タイトルの訳は、一応「反射体」といったところになるだろう。

つまり、鏡の世界ということか。

鏡をのぞくと、向こうが見える。しかし、鏡は壁なのだ。

透明なのに鏡はさえぎり、透明なのに鏡は人をとじこめる。

そういう鏡=壁の閉塞感を、アーケイド・ファイアは歌っている。



***

アーティスト:アーケイド・ファイア
アルバム:リフレクター

曲名:リフレクター(反射体)



プリズムに閉じ込められ
光のプリズムの中に
暗闇の中に取り残され
白の闇
僕らは恋に落ちた
ステージの上に取り残され
反射の時代に

“夜、夜とオーロラの間”
“生と死の国の境”
これが天国だとしても
それが何なのかわからない
そこであなたを見つけられなくても
別にかまわない

入口[エンター]を見つけたと思った
それは反射体[リフレクター]にすぎなかった(ただの反射体)
連結器[コネクター]を見つけたと思った
それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)

*

今、僕らの送る信号は
またも、そらされ
こんなにも、僕らは接続している
けれど、僕らは友人ですらないのかも

19の時、僕らは恋に落ちた
そして今、スクリーンを見つめている
“夜、夜とオーロラの間”
“生と死の国の境”

これが天国だとしても
僕にはもっと何かが必要だ
一人になれる場所が
だって、あなたが僕の家なのだから

入口を見つけたと思った
でも、それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)
連結器を見つけたと思った
それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)

それはただの反射体、ただの反射体
それはただの反射体、ただの反射体
ただの反射体、反射体

それはただの反射体(リピート)

*

単なる反射の反射の反射の反射の反射だ、ああ!
でも、反対側には、あなたが見える
誰もが何かを隠してる

単なる反射の反射の反射の反射の反射だ、ああ!
でも、反対側には、あなたが見える
誰もが何かを隠してる

(よしわかった、戻ろう!)

*

僕らの歌は、スキップする
ちっちゃな銀のディスクに乗って
僕らの愛は、プラスチック
それを彼らが、ビットに砕く

僕は、砕けて自由になりたい
でも、彼らが僕をぶち壊す?
ボコボコに、ボコボコに?
ふざけるな!

僕は、入口を見つけたと思った
それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)
連結器を見つけたと思った
それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)

それはただの反射体(リピート)

*

[デヴィッド・ボウイ]
あなたが復活装置[リザレクター]に祈っているのだと私は思っていた
結局、それは反射体にすぎなかった(ただの反射体)
あなたが復活装置に祈っているのだと思っていた
結局、反射体にすぎなかった(ただの反射体)
復活装置に祈っていると思っていた
結局、反射体にすぎなかった(ただの反射体)

*

それは反射体
ただの反射体
ただの反射体

反対側には、あなたが見えるよ

ただの反射体

(ああ!)

反対側に、あなたが見える(反射体!)
誰もが何かを隠している(反射体!)

ただの反射体

反対側に、あなたが見える



***



リフレクター=反射体は、歌詞を読むと、銀色の板=CDのことを言っているようでもある。

リザレクター=復活装置という謎の単語も出てくる。その部分を、デヴィッド・ボウイが歌う。

皮肉というか、絶望というか、死への反発と、死の世界への憧れが、滲み出ている曲である。



ちなみに、ARCADE FIREの2枚組CD"REFLEKTOR"(輸入盤)には英文歌詞が載っている。

訳詩はそれをもとに行った。

(ネットに引っかかる歌詞サイトの歌詞は、ライナーの歌詞と異なっていた。聴き取りに、間違いがあるのだろう)


***


この詩(歌詞)の内容について、

ロック教徒・さよちゃん先輩と少し語り合ってみた。


俺「リフレクターの訳詩を試みたけど、やっぱり意味はわかりづらい。でも、何か、シンプルな表現で決定的なインパクトのある歌詞を書ける人たちだという気がするよ」

さ「プーリームさんは、詩についての学位があるから、なかなか参考になる意見だね」

俺「何か感じた?この詩から」

さ「復活装置(リザレクター)って言うから、神のことかなと思うけど…」

俺「たしかに、イエスが死者を復活させてくれる、っていうからね」

さ「イエスじゃなくて、神だよ」

俺「三位一体説でもそうなのかな、そこは区別されてるのか…」

さ「デヴィッド・ボウイが、イエスになって歌っているのかって気がした、そんなイメージ。でもすごくむなしいの、なぜだか…自分たちには、そういう宗教感覚が無いから、比喩として使ってるんだとしても、説得力が無い。わかんないからさ」

俺「うん。ニュアンスとかが伝わってこないね」

さ「たしか、ウィン・バトラーって、神学を修めたんじゃなかったっけ」

俺「そうみたい。最初、ニューヨークの大学で、写真と文芸創作とを習いかけたんだけど、やめちゃって、カナダに渡って、大学で宗教学だか神学だかの学位をとったみたい。そうとうマジメな人っていうイメージだ」

さ「でも、ハイチ出身のレジーヌ・シャサーニュのほうがインテリなんでしょ」

俺「うん。調べてみると、メディア学だかコミュニケーション学のようなものを大学で学んでいったん卒業してから、ジャズの研究をしているときにウィンと出会った」

さ「ジャズ研究ってなんだろう?」

俺「さあ…ウィンの母方の祖父は、ジャズのスチール・ギターをやってた有名人みたい。そういうのが2人の出会いに関係あるだろうね」

さ「アーケード・ファイアって日本じゃ人気が無いから、誰も歌詞のこと何も考えないのかな?」

俺「好きな人は、歌詞を読むだろうけど、どっかわからない部分がある。洋楽はそういうのが多いよね。ラブソングなのか、神への思いなのかがハッキリしない場合が多いからだと思う」

さ「神への思いが、おそらく、すごく多いんだよね」

俺「日本の音楽だと、ラブソングはラブソングに過ぎなくて、神への思いなのかなぁ、って迷わせる要素がまったく無い。でも、洋楽はそれが多いんだよな」

さ「おそらくね。欧米の文学だってそうでしょ?」

俺「欧米の文学は、ほとんどそれなんじゃないかな。彼らの思考は、宗教がかっている」

さ「文学だと、本なんか読んでて神のことが主題だなって分かってくると、これはもうダメかなぁ分からないなぁって気がしちゃうけど、音楽は、別にそうだとしても、いいんだよね。音楽自体が、すばらしければ」

俺「近づきやすってことだね。リフレクター(反射体)への絶望感があるとしても、音楽はダンスだもんね」

さ「暗さが感じられるから」

俺「そこがポイントだね。ただの軽快なダンスじゃない、重苦しいダンス・ソング」

さ「19の時に恋に落ちたんでしょ、この歌詞だと。やっぱり神だなー。ウィン・バトラーが神学を勉強し始めたときじゃない、19歳って」

俺「そうかも」

さ「ウィンとレジーヌが、PVでは、顔を黒く塗って、悪魔っぽくなっていくんだよね。あれも謎。それに最後、ふざけた人形になっちゃうんだよ」

俺「ナチの収容所っぽいところに行くんだよね。あと、このバンドは、音楽で、何か、神とのコミュニケーションを取ろうとしているって可能性もある。でも、歌詞が難解、というか、"意外に難解"ってところが、おもしろい」

さ「うん」




ときどき、いくら調べても分からないことがあり、それをブログにメモしておくのだが、その何回目かを、久しぶりに書き留めよう。

ブンブンサテライツ(BOOM BOOM SATELLITES)というポップ・ロック・バンドがある。
これは、馬鹿馬鹿しいほどの、ぶっとい単調な重低音ビートを売りにしているようで、ヒップホップファンの自分にとっては、あまり興味をそそらないので、あえて聴いたことも無かった。


まあ、バンド名がイマイチ、ダサいせいもある。


(ちなみに、このブンブン~ってのは、ジグジグスパトニック(Sigue Sigue Sputnik)という名のポスト・パンク/ニューウェイヴ系の英バンドが1988年に出したセカンド・アルバムの中の2曲目"Boom Boom Satellite"を複数形にしたものらしい。そして、おおもとのジグジグ~ってバンドは、1980年代のロシアだか1960年代のフィリピンだかに実在したストリート・ギャングの名から取ってきたものだという。)


しかし、シンプルなサウンドやイケイケな容姿から想像させる、どこか「高卒」的なオーラ(?)に反し、そのメンバー、中野雅之(1971年生まれ、ベース)と川島道行(1969年生まれ、ギターボーカル)が、2人とも大卒だということを最近になって知り、驚きを覚えたと同時に、それがどこの大学出身なのか強い関心が湧いたので、四苦八苦してネットで検索をかけてみたが、分からない。


すくなくとも東京の大学らしいのだが、明らかでない。

そのうち母校での凱旋ライブなどをやれば、それがニュースになって、出身校が知れるかもしれない。


ネットでいくら調べても分からないことというのがある。

毎度、思い知らされるように、Googleは「万能ツール」ではないのである。


長年「高卒」に見えていたテクノの総帥・小室哲哉だって早稲田大学(中退)なのだから、軽薄な(?)音楽性からでは学歴は推し量れないものだ、とおもう。


水っぽいサウンドで一世を風靡したシャ乱Qのつんく(1968年生まれ)にも近畿大学卒業という学歴がある。
これも、けっこう意外な事実。



J・ロックバンドも学歴不明なものが多い。


最近、目にすることが増えてきたandrop(アンドロップ)というロック・バンドについても、そのプロフィールが、ほとんど不明である。
普通のJロックのようだったが、なにかイケイケ路線を導入しつつあるようで、まあ、たしかに、似たような軟弱で裏声の前向きメンタリティなJロックが溢れ返っているなか、差別化戦略というのは重要だとおもう。


しかし、このバンド、各メンバーの年齢も分からないうえに、大卒か高卒かも不明である。
青森、愛知、神奈川、福岡という全国からの集合体である点から推測すると、どこか東京あたりの知名度のある大学で結成されたか?
あるいは、容姿の若さ・あどけなさから考えると、高卒で、デビューから日が浅いという可能性もある。


ついでに、最近、売り出し中らしいクリープハイプ(CreepHyp)というJロック・バンドも、尾崎世界観や長谷川カオナシといった、面白い芸名のメンバーがいるようだが、年齢不詳であり、学歴も不明である。

これもまたネットでいくら調査しても解けない謎の一つであった。



しかし、いったい何歳の頃に何を聴いてきたか、同時代に何が流行って、それを無視したか、それとも夢中になったかという人間の歴史や、どういう学校で何を学んだか、かじってみたのか、あるいは、学びかけて拒否したか、そして、どういう学友に囲まれたか、といったものが、モノづくりを行うアーチストにとっては土台であり運命的な要素ともいえるわけで、何かの言い訳のために(?)それを隠し、年齢や学歴を不詳・不明にしておくというやりかたは、俺としては好きになれないものがある。


もちろん、学歴がすべてではない。むしろその過程で、吸収したり、拒否したりするという個人史があるはずなのだから……


それを隠すというのは、「今の自分だけを見てくれ」という態度の表れなのかもしれないが、表があれば裏があるのが人間であり、むしろ、見せたがるものより、「裏側」のほうがホンモノだったりすることも多いのだ。