つい最近知ったのだが、東大卒の高崎経済大学准教授、國分(こくぶん)功一郎という(政治)哲学者が、このところ急速に人気作家になりつつあるらしく、『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、2011年)、略して『暇倫(ひまりん)』は、発売後4ヶ月で5刷・2万5千部のヒットとなったというから、気になっていろいろ調べてみたら、ハイデガーを論じつつ、「消費するな、浪費せよ」、楽しみを与えられるのではなく訓練して自ら楽しめ、というおもしろい主張をしているヒトだと分かり、では、アマゾン(amazon)ではいくらで売られているのか調べているうちに、例によって、ついつい脱線してしまい、無神経というかハレンチにすら見える出品者というのが(多数)存在することが気になって仕方なくなってくる。
新品価格(在庫あり)より高い値段をつけて本を売っている出品者というのは……連中は、どういう感覚・脳みそをしているのか。
とくに、ふざけているとしか思えないような、たいした価値の無い書物にべらぼうに高い値段をつけている出品者が、結構うじゃうじゃいる。
この傾向は最近になってますます目立つようになったのであろうか。
たとえば、「あじさい書店 (真心込めて丁寧に)」(紫陽花書店)という出品者は、なんとも奇妙な独自の基準で5万円の古本を多数出品しているらしい。
(よく「真心をこめて」云々などと標榜できるもんだ、とおもう)
・『ミシュランガイド世界の3つ星レストラン―世界の美食をめぐる旅』に¥50,000
(定価は¥ 2,940である)
・『smartHEAD 特別編集 ボウズSTYLE'11 (e-MOOK)』に¥ 50,000
(これは、単なるヘア・スタイルの雑誌である、しかも年度落ちの…)
・『子どもの発達社会学―教育社会学入門』に¥ 50,000
(\2,310 新品 Amazon.co.jp に在庫あり)
・『教職教養の精選実施問題〈2012年度版〉 (全国版教員採用試験・精選実施問題シリーズ)』に¥ 50,000
(これも年度落ちの問題集に過ぎない)
・『もう一度見たい!「科学」と「学習」 (Gakken Mook)』に¥ 50,000
(2000円~3000円程度の出品者が10名ほどある中で、ただ一人、5万円で出品されている)
などなど、適当に列挙してみても、壊れっぷりがすごい。何か精神のバランスが狂っているのではないかと思わせる異常な値付けである。
「せぶん」あるいは「seven7_store」という出品者も、amazonで新品(定価)が買えるという状況にもかかわらず、「在庫状況により定価以上になっている場合がございます」という無気味な言い訳をしながら商売をしており、奇怪な精神をうかがわせる出品者の一人である。
これらはほんの一部にすぎないようで、部分的に思考のバランスが崩れてしまっているのか、それとも消費者を馬鹿にしているのか、ブキミな物売りは多く棲息しており、「物を売る」行為というのは、意外に恐ろしく欲深い人間の側面をチラリ垣間見させてくれるものだと思い、薄気味が悪くなる。