皆様のマンションは修繕積立金が足りていますか。 

 

 建設工事デフレーターをご存じですか。

国交省が月次、年次で発表している、建設工事費の増減率を調査した資料です。

それによると、マンション修繕工事が含まれるであろう建築補修指数は2015年を基準100として2023年1月の月次データは120.8です。

2018年頃から工事費のインフレが徐々に進んでいます。

また、別の資料では2021年から資材価格が高騰しています。

 

 ご存じのように、修繕費の上昇は管理組合の修繕工事実施に重大な影響を及ぼします。

 

 私が関わった管理組合様は、数年前に大規模修繕工事を実施しようとしましたが積立金が足りず一度延期しました。その後、再度計画をして直近の予想修繕費を算出したところ、物価上昇でまた積立金が不足する可能性があり再々延期と積立金値上げを実施しました。

 

 長期修繕計画も大きな影響を受けます。通常は物価上昇率は見込まず約5年ごとの見直しで調整するのですが、今後は見直しまでの間に大規模修繕工事等を予定し、その間にインフレが高進すると積立金が不足します。

 

 対策は次の五つ(他にもあるかもしれませんが)

1.物価情勢を予想し工事の実施年度の調整する。

2.積立金不足分解消に一時金徴収または借り入れする。

3.長期修繕計画に予想インフレ率を算入し修繕積立金額を決める。

4.長期修繕計画の見直し期間を短くする。

5.修繕積立金をインフレに負けない金利で運用する。

 

問題は1.、3.は未来を予測するので当然に当たり外れがある。2.は皆様の負担が大きい。4.は見直しの度に修繕積立金が変動する可能性があり、見直しにお金が掛かる。5.はリスクが高い。

 

 今後、管理組合様の運営は非常に難しいと思います。