老い
前3世紀の古代ローマにカトーという政治家がいるんだが、当時としてはかなり長生きで85まで生きた。そのカトーが若者にたいして、老人というものを説いている。老年が惨めな理由は4つ、すなわち、1.仕事から退けられる。2.身体が弱る。3.ほとんどすべての快楽が奪われる。4.死から遠くない、ということ。いまでも通る理由だ。
ようするに老いる、すなわち歳を重ねるというのは価値がほとんどないということか。歳をとればとるほど、生産はしないし、あまり消費もしないし、生きながらえればそれだけ金かかる。老人は資本主義の世界ではお荷物ということだ。
『荘子』のなかに 「我を労(くる)しむるに生を以てし、我を佚(やす)んずるに老を以てし、我を息(いこ)わしむるに死を以てす」とある。老は楽しみだというわけだから、まったく逆だ。さらに死は憩いだという。「老」とは練り直されて洗練されているという意味があって、「玄」と同じである。老人は、体力ばかりか記憶力が衰え物忘れがひどくなるものである。その「忘」いうのは老荘の世界では絶対的な価値をもち、悟りの境地を意味する。以上は、老荘の大家福永光司先生に教えられました。
文化によって、老というものにたいする考え方がこれほど異なるのだ。現在は、どちらかというと老はマイナスイメージだろう。
そもそも老いというのは、生物の世界ではほとんど存在しない。老いというのはなんだ? ……つづく
ようするに老いる、すなわち歳を重ねるというのは価値がほとんどないということか。歳をとればとるほど、生産はしないし、あまり消費もしないし、生きながらえればそれだけ金かかる。老人は資本主義の世界ではお荷物ということだ。
『荘子』のなかに 「我を労(くる)しむるに生を以てし、我を佚(やす)んずるに老を以てし、我を息(いこ)わしむるに死を以てす」とある。老は楽しみだというわけだから、まったく逆だ。さらに死は憩いだという。「老」とは練り直されて洗練されているという意味があって、「玄」と同じである。老人は、体力ばかりか記憶力が衰え物忘れがひどくなるものである。その「忘」いうのは老荘の世界では絶対的な価値をもち、悟りの境地を意味する。以上は、老荘の大家福永光司先生に教えられました。
文化によって、老というものにたいする考え方がこれほど異なるのだ。現在は、どちらかというと老はマイナスイメージだろう。
そもそも老いというのは、生物の世界ではほとんど存在しない。老いというのはなんだ? ……つづく