転職コンサルタントの独り言


先日の新聞記事で、いまの労働市場に関して画期的な情勢判断があった。

以下、内容をそのまま抜粋したい。

<記事内容>

厚生労働省は8月3日、2010年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表した。不安定な働き方が増え、労働者の収入格差が広がったことについて、「労働者派遣事業の規制緩和が後押しした」と国の責任を初めて認めた。政権交代や、労働者派遣法改正案が先の通常国会に提出されたため、踏み込んだ表現となった。


白書は雇用者の年間収入を、就業構造基本調査をもとに推計。1997年からの10年間で、100万円~250万円の低収入層の割合が雇用者全体の25%から29%に増えたと指摘。格差が拡大した結果、消費が低迷し、産業発展の可能性を狭めた、と結論づけた。

非正規雇用が増えた背景に、企業で人件費の抑制志向が強まり、じっくりと人材を育てるよりも即戦力の確保が重視されたことを挙げた。また、99年の派遣業種拡大や04年の製造業派遣解禁など労働者派遣事業の規制緩和が、「こうした傾向を後押しした」と認めた上で、「今後は正規雇用化を進めて技術・技能の向上と所得の底上げを目指すべきだ」と求めた。

民主党に政権交代し、製造業派遣の原則禁止などを盛り込んだ労働者派遣法改正案が通常国会に提出されるなど、雇用政策は一変した。06年から白書をとりまとめてきた厚労省の石水喜夫・労働経済調査官は「これまでは構造改革がもたらした格差の是正を訴え続けてきた。今後は、長期雇用のもと技能や付加価値の高い人材を育てることで、所得の向上や経済の発展を目指すべきだ」と話す。

<以上、2010.8.3 朝日新聞asahi.comより抜粋>

いま殆どの派遣社員は年収200万円以下で喘いでいるのが現状である。
例えば、仮に時給900円で働くとしよう。

・1日の日給 :  7200円 (1日 8時間)
・1ヶ月の収入: 14万4千円 (月平均 20日)

これを年収に換算しても、172万8千円となり200万円にすら届かない。しかも、給料は日給月給制となっており、派遣先の大手企業の勤怠カレンダーと合わせる必要がある。年末年始、GW、夏季休暇と企業が休みの分、彼ら派遣社員の収入は減る。最近は不景気だから残業など出来る状況ではない。

月の月収からは、社会保険料や、家賃(住宅ローン)など差し引くと、ほとんどは食べるのに精一杯で貯蓄などできる余裕が無い。まして妻帯者の場合、この収入では子供の教育費などこれでは捻出できるわけがない。

今後、正社員を解雇された人々が、非正規(派遣・パートアルバイト)の労働現場に流れていくことが想定されており、低賃金化は否応なく進むだろう。

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政治の役割は、「富の再配分」にある。

私見だが、最低賃金は労働者の最低生活保障。本来、生計費をベースに決められるべきであり、事業者側の支払い能力を並列で扱うのはおかしい。いまこそ政府は労働側の立場で最低賃金の基準を上げるべきである。何故なら、今後、家族を負う大量の世帯主失業者が、時給900円の労働市場へ流れてくるからである。

大企業は120兆円を超える内部留保を近年10年でやってきて、資産をうなるほど蓄えているにもかかわらず、経団連を中心に、政府に法人税下げを求めている。 今後これらの企業を行政が支援しても、海外進出により日本国内の雇用には貢献しないだろう。

いま、生活に困窮する人々が増えており、大企業だけがいい目を見ようなどというのは通用しない。



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