「完全失業率」とともに、景気動向や雇用情勢を読む際の指針となる統計が「有効求人倍率」だ。両者は毎月同日に発表されるが、前者は総務省が、後者は厚生労働省が集計したデータである。
厚生労働省が今月3月末に発表した2月有効求人倍率(季節調整値)は0.47倍で、前月に比べて0.01ポイント上昇した。2ヶ月連続の改善となり、2009年4月以来の高水準となった、という。
この一見「明るい」兆し、いったいどの位の人が景気回復を実感しているだろうか?
この有効求人倍率とは、全国のハローワークに登録された有効求人数を、有効求職者数で割ったもので、「求職者に対する求人数の割合」を表す。今月発表された統計数字を例にとれば、求職者ひとりに対して求人件数が0.47件しかない。つまり、求職者10人のうち4~5人しか仕事にありつけないという点では、統計上の数字だけでも厳しいことがうかがえる。
さらに、正社員の有効求人倍率は前年同月を0.08ポイント下回る0.29倍で、安定した職に就けない状況が続いている。
しかもこの有効求人倍率0.29という数字が実態を反映している数字かというと、そうではない。有効求人倍率を算出する際の「分母」となる求職者には、「ハローワークを利用していない失業者」は含まれないのだから、実態の求人倍率は惨憺たる数値になることは言うまでもない。
いたずらに雇用不安をあおるわけではないが、求人倍率や失業率の統計数字が、何か景気底打ちと景気回復の兆しであるかのようなマスコミの楽観的な発表とともに、新政権が雇用危機を楽観視するのではないかという危機感を覚える今日この頃である。
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