戦後最悪の雇用情勢に好転の兆しがみえるという。
総務省が先月末に発表した労働力調査によると、9月の完全失業率は5.3%で二カ月連続で「改善」した。しかし、世間で感じる風は好転どころか、深刻化だ。この違いはなぜ生じるのか。さらに体感されている失業率はどの程度なのか。
今日の東京新聞に興味深い特集が組まれていたので、以下一部を抜粋させていただいた。
<以下、抜粋>
「今月で失業給付が切れた。早く何とかしなくては」。
工場などで大量リストラされた人々が緊急入居した神奈川県営いちょう上飯田団地に住む男性(46)は途方に暮れる。今年1月、派遣切りで職を失い、それ以来、仕事を探し続けている。「再び派遣切りで職と住まいを失うことは避けたい」と身分の安定した正社員を希望する。
しかし、ハローワークで見ても、新聞広告を見ても求人は請負や派遣ばかり。「以前は、条件が悪くても正社員の募集があったのに…」。就職のめどはまだ立っていない。
今年7月、国内の完全失業率は過去最悪の5.7%に達したが、その後、毎月0.2ポイントずつ「改善」され、9月には5.3%になった。しかし、同月の完全失業者の実数(原数値)は363万人で11ヶ月連続で増え、前年同月比で92万人増となった。
失業者は増えたのに、失業率が下がった。どういうことなのだろうか?
雇用情勢は本当に改善されたのか。「違う」と断言するのは、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長だ。「昨年末に失業した多くの人々は夏まで失業給付を受け、求職活動していた。でも給付が切れた。生活ができないため、最近は短期間のアルバイトやパートで何とかしのごうとしている」。
労働力調査では、実際は失業中でも月末の一週間にアルバイトなどで一時間でも働けば、就業者で失業者ではない。従って、上記の求職者もアルバイトをすれば、就業者だ。
関根さんは「これが『改善』の中身だ。再就職の困難が逆に失業率を好転させている」。
と説いた。
