「転職して年収アップ」というキャッチコピーを求人サイト広告でよく見かけるようになった。

年収アップは転職の動機として十分な動機であり、その目的で「良い会社はないか?」というご相談も増えているのも事実である。

ところが今の会社や仕事に特に不満はないが、もう少し年収の高い会社へ行ってみたいという方が面接を進めて内定が出ても、最終的に転職を決断されないケースが多いのだ。

先日もある候補者の方がご希望の年収1000万円を超える提示があったにもかかわらずご辞退を申し入れてきた。理由は今いる会社より福利厚生面が不十分との事だった。

辞退理由を聞いた時、老婆心ながら、今の会社を軽々しく辞めるべきではないとお伝えした。


バブル期後の最近の転職者の年収条件の傾向は、前職と同額の方が約半数、上がった方が3割、下がった方も2割くらいと見るが、皆さん満足のゆく仕事をされている。何故ならば、新天地での満足感は、仕事の達成感や、円満な仲間や人間関係、会社のカルチャーに対する満足など、直接収入にかかわらない事象の中で自己実現されているのだ。

収入目的のみで転職することを否定はしないが、それだけの動機で転職することもお勧めできないのは事実であり、時に転職そのものをお止めになってはどうかと苦言を呈することもある。

私は初めて転職された方が短期間で辞めてゆくケースを多く見ている。

高い年収で転職するならば、新しい会社から要求される業績目標、配属部門・部下からの突き上げなど相応の覚悟を要することを肝に銘じて頂きたいのである。