その日、その男はいつもと変わらずお参りに来ていた。
いつもの場所に腰掛け、いつものように挨拶、そしてジッポで煙草に日火を付ける。
僕はこの前のお礼を言いつつ、世間話しを始める。
その男は僕に興味を持ったようで、いろいろと話始めた。
「今日はぜんぜんダメだな。」
「株ですか?」
「そうです。」
彼は少し渋い顔をしながら僕に言った。
こういう何気ない話をしながら徐々に僕とその男の距離が近間っていくのであった。
その時の記憶は不鮮明であるが、ある日僕は自分の話をしたことがあった。
中堅会社の営業マンで全国を飛び回っていたこと、そしてその会社でトップクラスの営業マンであったこと、
次に勤めたゴルフ関連の会社で全国2位の売り上げを上げていたこと・・・etc
「私の会社に来ませんか?うちの会社のディーラーで年収2800万円がいますよ。
うちの会社に欲しいな~。」
そう言われた僕は、少し気持ちが動いた。
なぜなら、今の仕事に非常に不満を持っていたからだ。
今の職場に就職したのもスカウトされてのこと。
しかし、入社する前の条件、仕事内容、環境、そのすべてが偽りだったからだ。
もちろん、どの会社も話が違うことはある。
しかし、本当に詐欺にあったのと同じ状況だったのだ。
休みは月に6日、忙しい時期は月の休みが2日しか取らせてもらえないのだ。
明らかに労働基準法違反。
しかも、ここの経営者には人間的な魅力がなく、従業員をただの駒としか考えていない。
とにかくこき使うだけ使って、給料や賞与の時期になると、とにかく恩を着せる情けない男だ。
自分のおかげでおまえ達に給料を出してやることができてるんだ!みたいなね。
ちょっと話はそれたが、このことはまた次に詳しく話したい。
つづく