僕は、とある神社に勤めていた。



勤めていた、と過去形なのは、その男に騙されて神社を辞めてしまったからだ。





その男と出会ったのは約3年前。



僕が神社に奉仕を始めて、毎日通ってくる中年男性がいた。



その男は白いワゴンRスティングレイで毎日毎日通ってくる。



神社を訪れる時間は、だいたい12時前後。



白いスティングレイで音楽をガンガンならしながら、颯爽と到着する。



背格好は中肉中背、まさに中年太り。



眼鏡を掛け、その風貌は決して爽やかではない中年男。




車を降りるとまず、拝殿前の賽銭箱に向かってヨチヨチと歩いていく。



まさにヨチヨチ歩き。



その男は足が不自由で、両足のつま先は内側を向き、何かに捕まっていないと立っていることができない。



そんな状態でも、必死に自力で歩こうとする。



全身の筋肉を駆使し、必死に歩く。



右肩を上に上げ、肩を前後上下に動かしながら一歩一歩必死に歩いていく。



その姿は哀れみを感じ、何か手助けをしてあげないといけないような気持ちにさせる。



実はその男、人の情けを利用し、人を欺いていたのだ。



その後、神社の職員全員がその男にまんまと騙されることになった。



                                               つづく