ちょっとしたフェチな妄想小説


 台風を前にして大雨があり、地下調整池のあるところにして雨水が下からも吹き上がってきていた。こうなれば足元も濡れることは不可避だろう。今回はそんなことから連想させるお話。

 強い雨に降られて、敢えなく足元まで濡れてしまった。靴も重く密着するように、気分がいいものではないだろう。ただそれだけでは終わらせない。私、岸田あいか(あいちゃん)には密かな楽しみがある。

 もちろん靴下も濡れており、履けるものではない。当然脱ぐこととなるのだが、それは締め付けられた足が自由になるということ。不快な中から、解放される感覚がたまらないのだ。

 脱いだ後に素足を見ると蒸れただけあって所々赤く、特に足の裏は赤くなったところと白いままの部分がはっきり分かれていた。絶妙なコントラストと、グラデーションを成していてたまらない。匂いもすっかり仕上がったそれである。

 そんな足が外気に当たって、なんだかくすぐったい。靴や靴下で縮こまった足の指を動かしたい。雨で外から冷えただけ、余計に感度も上がっている。すごく、気持ちいい…!

 こうしてそこそこ仕上げてから、裸足になるのがいい。サンダルだったり、すぐ脱ぐのでは満足な感度にならないのだ。これが、ちょっとした秘密である。

 それは少し昔の話だったか。急な雨に降られると、学校のクラス内でもいつもと違った光景が見られる。やはり足元が濡れてしまい、履いていた靴下も足にまとわりつく。脱いで開放したいのは当然だろう。

 本来学校で履いているべき靴下の、履いていない足。普段は見られない、近くのクラスメイトが見せる素足。私と仲の良い2人、森川さくら(さくら)と白木ひろみ(ひろっち)もそう。見慣れない裸足姿が新鮮だ。

 足には個性が出やすいとされ、大きさや形に限らず色味もそれぞれ違う。背の小さいひろっちはいつも靴下を履いており、その"隠された中身"を気にさせてくれる。

 その露になった小さな素足は指も小さく、かわいい形は彼女そのもの。表も裏もきれいで、触り心地がよさそう。濡れていたこともあって、赤らめたところはより赤い。やはり裸足なことが落ち着かないのかピクピク動いており、なんだか私も落ち着かない。

 私は背が高く、足も大きい。確かに裸足の解放感はたまらないものの、特に学校というような場で素足そのものを見られることに少なからず抵抗はある。ただこういう日、周りも裸足姿を見せている。履いたまま"仕上がった"し、濡れて気持ちも悪くなるのでそろそろか…?

さく「あれ、靴下濡れてるじゃん。気持ち悪くない?」

 もうこうなれば逃げられない。私は濡れたままの靴下に手をかけ、その"全容"を露にしていく。大きな素足という、私の秘密。足の指も比例するように長く、かわいいと思えない。

 同じく裸足になっていたさくらも合わせて、足を見せて比べていく。さくらの足は単純に考えれば、私とひろっちの中間みたいなサイズなどと考えて済む…。

さく「あいちゃんってきれいな足してる。」

 いきなり言われると悪い気はしないが、やはり意識してしまう。私の大きくてかわいくない素足が、きれいな足って…。落ち着かなくなり、足元を直視できない。

さく「え、何。悪いこと言っちゃった?」
あい「いや、なんでもない…。」

 そのまま始業になったため、ひとまず"比べる時間"は終わった。その日授業は終始落ち着かないままだが、机の下となる金属部分も靴下を介さず触れることとなる。それが冷たく気持ちいい。感度が高くなったことで、余計にそうだろう。

 気づけば裸足のまま気持ち良くなっており、靴下なしで靴を履けばそれも落ち着かない。昼休憩も駆け回りたくなる気持ちを抑え、3人で他愛もなくごまかす。それにしてもいつもと違って靴下のない、いつもと同じはずのひろっちはなんだか色っぽかったのか…。今直視できなくて、次はいつに見られるのか…?

 そのままこの日は授業が全て終わってしまった。靴下はそのまま乾ききることがなく、湿ったままだ。外を見れば、雨はすっかり上がっている。今日が終われば、いつものように靴下を履いていくはずだろう。やはりまだ落ち着かない。
(つづく)