2024年7月27日(土)午後1時17分頃 石川県七尾市/和倉温泉駅
7.七尾13:11発→穴水13:50着 普通135D/穴水行き NT213
和倉温泉までがJRの路線であり、電車特急の乗り入れに向けて電化されている。ここから先が正式にのと鉄道の区間となり、過去に乗車したことがない。
のと鉄道は電化されていないため、先程と同じような農地の広がる風景ではより何もなく思ってしまう。そんな中で、次第に遠目の海が見えてきた。
田鶴浜を出るといよいよ海に面してくる。美しくあれど、元日の地震では大津波警報も出ている以上…。
能登中島は2面3線だった痕跡が見られる。駅舎は左のホームに面しており、かつて使用された郵便客車も駅舎に隣接して保存される。右からはうまく見られないので、復路で見ていきたい。
能登中島からは山間へと進んでおり、高台からの切れ間に入り江らしい海を望む。この形状も港町らしいといえば、確かにそうだ。
西岸はちょっとした"案件"がある。
テレビアニメ『花咲くいろは』に登場した『湯乃鷺』駅は、この西岸をモデルにしている。2011年に放映されてから人気を博し、実際に駅名標が置かれることとなった。2024年になった現在も人気共々健在だ。
そしてのと鉄道は海沿いの絶景に面している。特に夏の晴れた日とあって、それは一層美しい。
春になれば、能登鹿島の桜も美しく咲き誇ることだろう。特に今年は地震から復旧した前後となり、能登半島が復活を遂げる始まりのような象徴らしくなった。
さらに海へと面してくると、海にやぐらが立っている。これは何だろうか?金沢からも気づけば96km進めており、思えば遠くへ来たものだ。
七尾から39分。金沢からは乗り継ぐこと、合わせて139分で今回の最終目的地。穴水に到着した。乗ってきた気動車は回送される。
能登半島は『君は放課後インソムニア』も舞台地(主に七尾市)となる。2024年現在、のと鉄道のラッピング車両はこちらが唯一となるようだ。
終着駅となった現在は、駅舎に面する1線のみを使用している。2面3線に加えて切り欠きホームを有していたのは、かつて輪島や蛸島まで結ばれていた名残だ。運行されていた急行列車の車両も保存されている。
駅舎そのものは平屋建てとなる。そんな駅の周囲など、やはり元日の地震被害が大きかったのだろう。ところどころ工事をしている様相が見られた。
駅舎に隣接して物産館『四季彩々』がある。土産物を主に扱っており、飲食はソフトクリームとコーヒーぐらいしか見られない。よって現状、食事は期待しないほうがいいのだろう。
(現)生茶555ml(キリン) 150円[自]
ということで穴水まで来ながら、尽きていた水分を自動販売機で仕入れたのみに終わった。
道を挟んだ向かいにはさわやか交流館『プルート』がある。あちらも見ておくべきであろうところ、そこまで見て回る余裕時間も有していないのだ。
穴水の駅は常時使用可能な駐車場とトイレを有しており、それらと合わせて道の駅を構成する。駅前からはバスも発着しており、鉄道の廃止された地区など各地に向けているだろう。
(現)のと鉄道乗車券:穴水→七尾 850円
往路もそうだったが、のと鉄道の関連分は現地で乗車券を購入していく方式をとった。券売機は食券用の機材を使用しており、自動改札を有している駅がないことから券類の裏面に磁気は有していない。
8.穴水14:17発→七尾15:23着 普通604D/七尾行き NT203
復路は元々観光列車用のダイヤが組まれており、一般車両を併結することとなっていた。2024年7月時点で観光列車は運休しており、一般車両の1両のみで運行される。来たのは同じく標準色ながら前期型となり、クロスシートは1列2列。全体的には余裕を感じられる。
海を見ながら見えていたのは『ボラ待ちやぐら』という。後で調べたところ日本最古の漁法らしく、警戒心が強いボラの習性を利用したとされる。能登地方で盛んにおこなわれていたようだが、現在は行われておらず観光用に櫓を残すのみと…。
春になると桜の咲き誇る能登鹿島。各地から応援が寄せられ、見せてくれた美しい風景は復興の象徴となるのだろうか。
続く西岸は方向別にホームが分けられる相対式で、律義にも『花咲くいろは』に登場した『湯乃鷺』の駅名標が双方に設けられている。七尾,金沢に向かって右を見れば、棚田もあって里山らしい風景を見せてくれる。
西岸から能登中島にかけては木々の生い茂る山間を通っており、視界があまり開けない。この普通はあまり速度を上げることもなく、じっくりと抜けていった。
(開業記念!新幹線で能登の夏景色 つづく)