JR東日本とJR西日本は7月5日、在来線車両の共通化をめざし検討を開始したと発表。行先案内やモーターなど、機器類の共通化から図るという。

 将来的には車体設計の共通化も目指すといい、メーカーを巻き込んだ戦略になろうかと…。公表したのは2社ながら、実際は間に挟まったJR東海も関与してくるかもしれない。


 JR東日本は自社系列の総合車両製作所(J-TREC)が製造を担う。元々は東急車輛製造と、同社の技術を用いて設立されたJR東日本自社の新津事業所が担当。後に両社が統合されることとなり、事業所は2か所そのままに1社となる。統合後に『sustina』なるブランドが制定された。

 かつては川崎重工業も入っていたところ現在は撤退している。


 JR東海も自社系列の日本車輌製造が製造を担っており、2021年に落成した315系からは車体にも『N-QUALIS』なるブランドを制定。過去は近畿車輌など、他社も製造を行っていた。


 JR西日本は川崎車両(旧:川崎重工業)と近畿車輌で分担して製造している。川崎車両は『efACE』なるブランドを制定しており、ステンレス車体のみならずアルミ車体も同ブランドで展開。一方の近畿車輌はブランドとして制定されていない。


 JR九州は日立製作所が製造を担っており、アルミニウム合金車体で統一されることもあって今回の設計共通化事案とは合致しない。ブランドは『A-train』という名称となり、国外でも採用例が多い。


 ということで、設計共通化について。実は先駆けて前例があったりするのだ。小田急5000系は総合車両製作所,日本車輌製造,川崎車両による共同設計であり、実質の"トリプルブランド"となる。

 おそらくはこのような共通設計を、JR東日本とJR西日本が取り入れていくということだろう。西日本で4ドアの207系を置き換える際、東日本の設計が取り入れられるということになるだろう。東日本では3ドアの211系を置き換えていく際、西日本(+東海)の設計を取り入れていくのか。


 まさか東日本が東海から315系をOEMのように構造流用して、E133系にでもするのだろうか?
(おわり)