2024年2月12日(月)午前8時16分 滋賀県米原市/米原駅
2.米原8:30発→敦賀9:17着 普通5135M/敦賀行き クモハ521-5
2006年末から滋賀,福井県内で活躍を始め、60Hzならば交直流の電化を問わない521系もすっかり北陸の顔として定着した。初期型が幅を利かせる最南部も、当時は行われなかったワンマン運転となる。
223系と比べてわずかなデッドスペースの目立つ車内は、中期型以降に準じて"持ち手"部分が黄色くつり革も大きくなり増加した。ワンマン運転の際は従来と同様にすべてドア扱いを行うため、整理券発行機は使われないままとなる。
隣に入ってきたJR西日本の普通はJR東海と接続できず、北陸への普通に接続。2両編成への乗り換えが多く、車内は混雑気味となった。
発車するとワンマンらしく自動放送となるのだが、どうも文面やら区切りが怪しい。それはそうとしばらくは琵琶湖を左に見ながら進んでおり、降っているのは雪でなく雨のようだ。沿線にある長浜ドームの最寄は田村となる。
長浜で多く下車し、グループ客が固まっているほどとなった。長浜からは琵琶湖から離れていき、次第に雪化粧の気配を見せてくる。
木ノ本まで来ると雪が多くあり、公共施設にも除雪車が多くみられるようになってきた。そしていよいよ降ってくるのが雨から雪へと変わっていく。
余呉からみられるのは余呉湖。グループ客はここで降りていき、いよいよ車内はほかにほとんど客が見られなくなる。ここからはトンネルの連続する県境の山岳区間となるため、運転席後ろの遮光幕が下ろされた。
近江塩津で湖西線が合流する。長らく2面4線のホーム構成で、湖西線から北陸への"本線"にホームは設けられていなかった。2021年末から雪害対策用に臨時ホームが設けられたが、今日の程度では使うこともなさそうだ。
トンネルを抜けて福井県に入っており、新疋田では一転して雪があまり見られなかった。先にみられる山々の木々は雪をかぶっており、降らない地域ではない。
敦賀ジャンクションから延びる高架橋は舞鶴若狭自動車道であり、地面から見ても相当高い位置を通っている。青空も見せており、雪山とともに冬らしい風景を見せてくれた。さあ、もうすぐ敦賀だ。
米原から47分。敦賀に到着したホームは4番線となり、直流電化を機に設けられた切り欠きホームである。現状で床面が段差なく適切な高さとなるのは、この4番線しかない。
5番線で待っていた新快速が大阪行きとは、なかなか珍しいだろうか。223系の4両であり、湖西線経由ならば近江今津で前方に8両連結することとなる。
2022年クリスマスイヴに視察した時点では、敦賀の新幹線駅へつながる通路がふさがれていた。1年強が経過し、開業を控えた頃合いとなれば柵も簡易的。通路の様子を見ることもできそうか。
通路からホームへ上下する階段の上部分。発車案内の液晶画面が設けられ、しっかりと液晶画面式案内らしい表示をしていた。これまでは改札にある古いLED式案内を映しただけであり、手抜きも相当である。やればできるじゃないか。
改札にある発車案内も液晶画面式となっており、新幹線開業後の全面展開が前提となっているのだろう。列車名表記は『サンダーバード』が青色、対する『しらさぎ』はオレンジ色で分けられているのが面白くわかりやすい。内部は工事が続いているため、券売機が移動していた。
気づけば3月16日の北陸新幹線敦賀開業まであっという間。開業後もしばらくしてから来るだろうし、在来線の駅だけならば2022年のクリスマスイヴがある。
(現)JR自由席特急券:敦賀→福井 1200円
敦賀からは福井まで在来線特急。特に在来線特急としての『サンダーバード』を目的としており、リニューアルされていた車両はお初だったりする。距離そのものは意外とあり、料金もそれなりにするもの。また新幹線開業後は全席指定となることから、自由席としても最後となろう。
ホームの駅名標は新調され、すでに第3セクターへの移行を見据えているようだ。ふさがれている箇所がそうらしい。
3.敦賀9:38発→福井10:11着 特急サンダーバード7号/金沢行き クモハ683-1504
乗り込むは12両中、683系0番台となる前6両。自由席は5号車と6号車で固定されており、そこそこ空席がみられる程度だろうかと。
またこの便は停車駅が最も多かったりする。大阪から金沢までの間、新大阪,高槻,京都,堅田,近江今津,敦賀,武生,鯖江,福井,芦原温泉,加賀温泉,小松,松任に全て停車するのだ。では引き続き、左の景色を見ていこうか。
ここからは第3セクターへ転換される区間となるため、JRとして新幹線と並走することはない。少しすると北陸トンネルへ進み、直流電化と交流電化の境目。さらに福井県でも嶺南地方と嶺北地方の境目となる。
リニューアルされた車内はモケットが青系主体に変わった程度で、出入口上にある案内装置は従来の3色LED式で小さいまま変わらず。写真映りに結ばずとも、暖色系の間接照明は落ち着いた雰囲気を与えてくれる。
かくして683系0番台の乗り心地を、北陸特急として残りわずかに堪能する。復路がああなろうとは、この時予想することもなく…。
(つづく)