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2024年2月23日(金)午後4時23分 名古屋市中川区/ナゴヤ球場正門前駅跡地
今回はナゴヤ球場近くを通る貨物線の話。中央西線の名古屋駅近くにある山王信号場から分岐するのだが、扱いは東海道本線の支線となる。ナゴヤ球場が1軍本拠地だった頃は臨時駅が設けられ、東海道本線に尾頭橋が開業する以前の1994年最終戦まで続けられた。
2軍本拠地となった現在は尾頭橋もあるので、臨時駅の需要はないだろう。むしろ周辺が住宅地となり、より尾頭橋から遠い位置で名古屋駅への直通需要があるのかもしれない。もっともこの貨物支線が廃止されることが、今回目的とした理由なのだが。
そしてこのナゴヤ球場正門前跡地は、そもそもJR以前に存在しなかった可能性がある。理由は名古屋市内で工事の進められていた、南方貨物線が事業廃止になったためという。このため2024年まで、山王信号場から分岐する形で貨物線となっていたらしい。
末期は1日1往復未満のレール輸送のみとなっており、JR東海のキヤ97をわざわざJR貨物のDD200に牽引させていた。そんなレール輸送の廃止は必然だったとして、貨物支線そのものの廃止は少々勿体なくもある。一応…、東海道新幹線全面リニューアルの仮線用地には使えそうか。
そのまま、みなとアクルスへ移動する。貨物支線の終着点付近にてかつて東邦ガスが工場を構えており、跡地を再開発した港明地区の愛称である。こちらも名古屋駅への直通旅客需要はあるはずだろうが、結局2024年現在まで設定などはされないままであった。
駅を設けるためではなかっただろうが、盛土構造物を見る限り複線用のスペース等が見られる。そのまま長らく使われないまま、貨物支線そのものが廃止となる。運行を終えた現在も信号機が灯っており、再活用されるのを待っているかのようだ。
そんな港明地区を再開発した本命は『ららぽーと名古屋みなとアクルス』に非ず。周辺では宅地開発も進められており、大規模な集合住宅が林立する。最寄りの路線に地下鉄名港線はあるものの、そちらから名古屋駅へは直通できない。
貨物支線を挟んだ反対側も開発地区に含まれるところ、見た限りでは特に宅地の造成など開発が進んでいないようだ。そのために需要を見込んでおらず、路線が活用されなかったのだろう。JRとしても名古屋駅まで直通し、東海道新幹線へ接続できれば大いなる武器になっただろうに。
(おわり)