2023年10月以降におけるJR東海在来線一般車両の動きは、まだ不確定要素があるのでもうしばしお待ち…。
211系5000番台。国鉄末期に登場したステンレス車体を持つ211系が、国鉄民営化後に独自要素をもって登場。JR東海独自の新形式となった311系と共に増備が進み、平成初期から令和初期にかけ長らく"ヌシ"として君臨してきた。
民営化から早35年となる2022年、いよいよ退役の時が訪れる。国鉄から継承していたのは211系の0番台が2本のみであり、JR東海の中でも少数派だったことから独自の動きを繰り返す。
特筆すべきは大垣にいた2000年頃から高速化改造を受け、311系に準じた運用を見せていたことだろう。新快速で運行される姿は、まさしく特異なものだったか。神領へ来ると一転して"日陰者"となり、ラッシュ時の増発に専念していた。
国鉄から継承され、最末期まで特異な存在だった0番台。2022年3月の"大改革"に先立ち、退役することとなる。
また大垣には0番台の他、民営化後に登場した5000番台も在籍していた。こちらは高速化改造を受けることもなく、3両編成のみでトイレも設置されず。快速運用もごく少数のみ。313系の増備に合わせて静岡へ転出し、現在のLL編成となる。
屋根構造の違いから身延線への乗り入れができず、静岡生え抜きのSS編成とは運用が分けられた。もっともトイレなし3両編成は変わらず、両者ともトイレ付の313系が連結されてようやく"身分を保証"できた形か。
そしてこの度、大所帯の"ヌシ"だった神領の編成が全て退役。5000番台のうちトイレは4両編成にしかなく、全て神領に所属していた。3両編成や313系とも連結し、4両から10両まで変幻自在の運用を見せている。
そこへ2022年3月の"大改革"である。新しく投入される315系は8両編成となり、211系も8両固定運用となった。315系は8両編成で2023年9月までに23本が投入され、必要数の揃った10月頭をもって中央西線運用から撤退。
それでも最後の"粘り"とやら…。関西本線の混雑対策でロングシート車両を投入することとなり、10月から11月まで1往復のみ211系5000番台が"復帰"。その姿は晩期の0番台とも重なったようでもあったか。
315系は4両編成の投入が始まったため、ある程度数の揃った11月末にはそちらが用いられることとなった。これをもって予備運用も終了し、最後の2本が12月初旬に西浜松へ回送。名古屋地区から全ての211系が姿を消した。(中津川へ乗り入れるJR東日本の編成は継続。)
JR東海の211系が見られる静岡へお早めに…。さあ、行こうか!?
(おわり)