今回は2023年の話ながら再編集しているため、1話分のみ鉄旅リターンズプラスとして扱う。
2023年5月3日(水)午前7時55分 三重県伊勢市・快活CLUB伊勢店
伊勢市で迎えた朝は思うほど早くならずも、やはり晴れて心地よい。国道を見る限りそうでもなさそうだが、連休で伊勢内宮は混雑を見せていることだろう。
ひろ「で…、決めた?」
めぐ「フェリーで渡っちゃっていい?」
ネットカフェで考えたのは、伊勢湾フェリーで愛知県は渥美半島へ渡ってしまおうかということ。そちらもそちらで連休に入って、それなりの混雑はしているかもしれない。
たか「じゃあ、早く行ったほうがいいよな。」
めぐ「そう。もう出るよ。」
国道42号 快活CLUB伊勢店(伊勢市)→汐合大橋東詰(伊勢市)
とりあえず鳥羽のフェリー乗り場へ進めようか。前夜に多くあったバイクはもう出発したらしく、駐車場からほとんど姿を消していた。
ひろ「お参りはもういいんだよな?」
めぐ「お参りは…、最初から考えてない。」
国道42号は国道23号から分岐して、左に進路を変えれば引き続き片側2車線となる。フェリー乗り場までは14kmほど。そういえば出発段階で水分を確保できていない。
めぐ「…どっか、コンビニない?」
たか「いや…、そういうのは。」
ネットカフェを出て3.3km。途中で水分を購入する必要があったところ、ちょうどコンビニがあったので確保しておく。モノについては特に触れることもないだろう。小休憩もそこそこにして、鳥羽のフェリー乗り場へ先を急ごうか。
ひろ「いいけど…、フェリーだよな?」
めぐ「もう、出る。」
国道42号 汐合大橋東詰(伊勢市)→伊勢湾フェリー(鳥羽市・田原市)
しばらくは片側2車線で続いている。伊勢の市街地からもすっかり外れて、山々の近くあるところを晴れた朝から走るのは何より心地よい。
ひろ「こういうのだよな、泊りがけのいいとこって。」
めぐ「そうそう、こういうのやりたかった。」
やがて国道42号はバイパスと現道が分岐。バイパスとなる伊勢二見鳥羽ラインは原付が走行できないため、左に反れて現道を進むこととなる。フェリー乗り場までは10kmだ。
たか「あれ、…岩はいいのか?」
めぐ「せっかくだし、見たくはあるんだよね。」
現道は対面通行となる。程近くあった夫婦岩を見物すべく、少しだけ外れてもよかっただろう。通過すると新旧のトンネルが共存し、旧道は駐車場となるため通り抜けができない。
めぐ「あと昔だけど、シーパラダイスに1回。」
ひろ「シーパラダイスもな…、今日なんか人も。」
二見シーパラダイスを過ぎると、国道42(・167)号は海沿いから山沿いへ進路を変えていく。対面通行にして信号は少なく、ペースはかなり速い。電柱は相変わらず『赤福』の攻めが強い。
たか「…そういえば。」
めぐ「せっかくだからとは思ってるんだけどね。」
並走しているJR参宮線を跨ぎ、再度海沿いへ出てきた。2020年3月改正で廃止された臨時駅のホームもまた、海に面して絶景だったことだろう。もっとも国道からたどり着く経路は、実質的に存在していないらしい。
ひろ「これ、動画とかあれば…。」
めぐ「いいんだけど、…何が合うのかわかんなくて。」
フェリー乗り場まで5km。突き当たりを左折して、国道はバイパスと現道が合流する。再度片側2車線となっており、そのまま鳥羽の市街地まで続く。
山間から下ってホテルなど多くなり、海に面するように鳥羽駅の近くまで来た。現在だいたい朝8時30分。出発からここまで、思った以上に順調だ…。
ひろ「…なんかコワいんだ。」
たか「まあ連休だしな。」
やはり連休にあり、車列が動かなくなってしまう。自動車利用ならば出発時間が自由自在とはいえ、遠方からであれば少々早い気がしないでもない。
めぐ「これ何がって、フェリーも国道で。行くしかないの。」
ひろ「押して歩いたほうが早いってないか?」
厳密にいうとフェリー乗り場や、鳥羽水族館への入口も国道42(・259)号となっている。焦らされつつ遅く進めると、フェリー乗り場が中央車線と出ている。鳥羽水族館は左折車線となっており、以降は一気に流れがよくなっていた。
たか「よし、もうあとは一気に…。」
国道167号 通町インター(伊勢市)→中之郷(鳥羽市)
結果的にフェリー乗り場へは少しだけ回り込む形となった。厳密な国道経路は鳥羽水族館の駐車場で閉鎖されており、フェリー乗り場には直接進められない。また国道23号から分岐して以降、唐突に存在を仄めかしていた国道167号。今回走行した区間では国道42号に重複している。
ということでネットカフェを出て合計16.1km、伊勢湾フェリーの乗り場に到着。二輪車は指定位置に停車させた後、ターミナル建物の2階にある窓口で乗車券等を購入することとなる。
ひろ「で、時間。」
めぐ「その前にとりあえず、切符とかを。」
とりあえず繁忙期で毎時1便はあるらしく、少し時間をおいて過ごすのも悪くなさそう。そう考えたところ直近の便に余裕があるらしく、早々に鳥羽から後にすることとなってしまった…。
(11月11日 鳥羽港にて0.1km未満の攻防へつづく)