2023年7月21日(金)午前9時8分 福岡市博多区・博多駅


(現)JR指定席B特急券:博多→由布院 2330円
 ホームにはこれから乗るキハ72が入っていた。メタリックグリーンの美しい塗装を纏った、観光特急『ゆふいんの森』専用の車両だ。こちらは後から新規で導入された編成となり、3代目にあたる。


16.博多9:17発→由布院11:31着 特急ゆふいんの森1号/由布院行き キハ72 2
 ハイデッカー構造となる客室は、どことなく883系電車に通じる印象を受ける。座席は背面テーブルを設けたタイプであり、885系とは異なるのだ。


 指定されていた席を間違えてしまった。とりあえず再確認して、改めて指定された席に座ろう。平日ながらも多くの乗客がいるほか、どうも日本人の比率が多くないようだ。


 博多を出発し、キハ72は都会の喧騒から抜けていく。正直なところ鳥栖までは前々日の西九州ルートで乗っており、軽く流す程度でいいのだろう。短い時間だけ寝てもよかったかもしれない。



 するとアテンダントの方が客室先頭寄りに立ち、乗客に直接案内などの説明をしてくれている。前日同様これまでこの手の観光列車は縁がなかったため、むしろ過ごし方が慣れないかもしれない。


 コンテナのある貨物駅を過ぎ、そろそろ鳥栖に停車。鳥栖を挟んだ短い区間だけ、佐賀県に位置している。


 鳥栖で長崎本線が分かれていった。長崎(武雄温泉乗り換え)へ向かった前々日と違い、ゆふいんの森1号はもう少しだけ鹿児島本線を南下する。


 やがて九州新幹線と並走。前日乗った新鳥栖から久留米までが短かったように、鳥栖から久留米も距離が短い。その間に福岡県へ戻っているのだから、地理問題はややこしい。


 久留米からは久大本線へ進んでいく。今回の目的に当初から含めていたものの、大雨災害もあって前日に復旧となるまで行程も確定できずにいた路線だ。


 そんな久大本線の景色を、左側からじっくり見ていきたい。非電化単線ながらも、久留米からしばらくは都市部らしく住宅が多い。


 善導寺を通過するゆふいんの森1号。右側は連なった山々の景色となるも、今回は左側を指定している。進行方向など読めなかったのはあるが仕方ない。


 そんな左側を見ていると、やがて農地の広がる風景になってきていた。遠目には、こちらも山々が連なっている。


 すると現れたのは資生堂の工場である。何も知らずに通過し、こんなところにあったのかと…。


 キハ72は筑後吉井を通過。次の駅が『うきは』とあり、うきは市の中心部はどちらだったのかと。後から調べると筑後吉井であった。うきは市は昔にどこかのドラマで見たような気がする。


 デジカメをズームアップさせ、右側に連なった山々を収めておこう。とりあえず形にはなったはずだ。


 左側も山々が近付き、田舎らしい田舎の風景となってきた。夏休みにはこのような風景がよく思い浮かびそうだ。


 川を渡ってトンネルへ。右側はダムになっていた。


 夜明ではかつて日田彦山線が合流していた。こちらは災害によって長期休業を余儀なくされており、復旧する際は鉄道を断念。気仙沼線のようにバスで結ぶ"BRT"となる。

(つづく)