2023年7月20日(木)午後2時49分 鹿児島県指宿市・指宿駅
(現)JR指定席B特急券:指宿→鹿児島中央 1280円
さあ、そろそろ鹿児島中央へ戻る時間だ。自動改札はなく、古典的に有人改札式となる。ICカードは鹿児島中央から喜入までしか対応せず、指宿に装置類は設けられていない。
ホームは2面3線式となる。2・3番線へは跨線橋で結ばれているものの、多くは1番線だけで間に合うようで出番は多くなさそうか。
14.指宿15:07発→鹿児島中央16:00着 特急指宿のたまて箱6号/鹿児島中央行き キハ47 9079
本日の主役、特急『指宿のたまて箱』が登場。キハ47を大改造した専用車両だ。車両番号は機関の改造による変更となっており、一般車両と一切変わりない。前面は白と黒に塗り分けられ、白い側面から裏を見ると黒い。
特急専用車両となりながら、キハ47そのままの両開きドアとなる。客室との間にデッキはないばかりか、313系8000番台にあるような間を仕切るようなモノもない。
最前部にあたる区画は、ソファーを1人ずつ肘掛けで区分けしたような座席となる。案内表示は停車駅が3駅あれば十分だからと、割りきった行灯式となるも使われていないらしい。木製の床面は結構使い込まれていた。
車内は海を見られるよう座席を配置している。海に面したカウンターを"主役"に、山側はクロスシートと1人用ベンチで構成される。棚と本棚が設けられ、浦島太郎などの絵本が入っていた。天井の照明は粒状となったLEDで白色系、窓の横に付いたものは暖色系となる。
今回指定されたクロスシートはどう使うのが正しかったのだろうか?座席そのものはJR九州内で見覚えある形状の木製で、コンセントはない。
テーブルは区画4席中、進行前方にあたる2席のみが使用可能となる。
1号車のトイレは大きく一新された。面した区画にアテンダントが常駐し、車内販売や観光案内などの業務を担う。さあ、そろそろ発車する時間だ。座席もカウンターを中心に埋まってきている。
(現)いぶたまプリン(特急指宿のたまて箱) 440円
観光の車内販売が来たので、1つ買ってみた。名物のプリンは車体色の白と黒を体現するように、濃淡のツートン状に仕上がっている。実際は3層にもなっており、上は生クリームのムース。下は食用木炭と黒ゴマで黒色となった。
ムースがそうなのか、なかなか固めな口当たり。トロトロしたモノが重宝されがちな昨今、このようなしっかりしたタイプを求めていた。結構好きだ。
宮ヶ浜には砂の道が現れ、干潮時には歩いて渡れるという。海の景色そのものは往路でまとめて収めており、アテンダントの方による放送で補完することになるだろう。あるいは往路で見ていない左側か。
この『指宿のたまて箱』は特急として、途中停車駅が喜入のみとなる。知覧茶で知られる知覧へはバスが出ているというが、乗り場はどこにあっただろうか?
乗車記念の撮影ができるよう、アテンダントの方がプレートを持って回ってきた。ということで乗車した記念に、プレートを撮影させてもらう。
桜島と錦江湾の海が見えてきた。せっかくなのでデジカメをズームアップさせ、収めておこう。
ゴミの回収も来てくれた。プリンの容器は使い道に困るので、回収してもらおう。さて運転方式そのものはワンマンとなっており、運転業務は運転士のみが担う。アテンダントなど客室乗務員は、車内での接客などに専念する。
それにしてもよく揺れる。キハ47は駆動装置類の改造はなされるも、台車は旧来のままらしい。往路のキハ200でそうだったように、線路の状態もよろしくない。メモ帳は大丈夫?
坂之上で一旦停止した。指宿枕崎線は単線で交換が必要とはいえ、この坂之上は線路が1本しかないためどういった目的か。特に何かするということもなく、すぐに坂之上を発車。
雲をかぶっていたものの、桜島を再度見ておきたい。鹿児島の市内からは24時間運航されるフェリーが出ており、15分で結ばれているそうな。しかし写真は木々が遮って大失敗。
やがて高架区間となり、谷山から見下ろすように眺めておく。ここからは鹿児島の市街地を進んでいく。
指宿から53分で鹿児島中央に帰ってきた。4番線に到着すると、出入口のドア上からミストが出ている。これで玉手箱を開けた様が体現されるのだ。
いつもの一般車ばかりであったため、観光など案内の多い観光列車は落ち着かなかった。それでも後にする際は、名残惜しさを感じてしまう。次に来るときはもっと楽しむか、それこそ枕崎への到達を目指すべきか。
鹿児島中央の改札を出て、お次は桜島口を見ていこう。商業施設『アミュプラザ鹿児島』の入っているビルを併設しており、県庁所在地たる都市部の主要な駅だと思わせる。さあ、鹿児島ではもう1つ重要な決戦が待ち構えている…。
(つづく)